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FSR 3.1対応ゲームを自動でFSR 4に対応させる「AMD Software 25.9.1」が登場
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印刷2025/09/09 17:54

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FSR 3.1対応ゲームを自動でFSR 4に対応させる「AMD Software 25.9.1」が登場

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 米国時間2025年9月8日,AMDは,「Radeon RX 5000」シリーズ以降のGPUと,RDNAアーキテクチャ以降のGPUを搭載するAPU向けドライバソフト「AMD Software Adrenalin Edition 25.9.1」(以下,AMD Software 25.9.1)をリリースした。
 AMD Software 25.9.1は,AMD独自の超解像&フレーム生成技術「FidelityFX Super Resolution 4」(以下,FSR 4)に対応するゲームタイトルを大幅に増やす新機能を盛り込んだドライバソフトだ。

 Radeon RX 9000シリーズのユーザーが,AMD Software 25.9.1にアップデートしたうえで,ゲーム側のメニューでFSR 3関連の設定を有効にして,AMD Software側でFSR 4を有効にすれば,ゲームのフレーム生成や超解像処理がAIベースのFSR 4に自動で切り替わるという。

 ただし,すべてのFSR 3.1タイトルが,FSR 4対応になるわけではない。
 AMDによると,開発者向けガイドラインに従って,署名付きの「FSR 3.1 DLL」を統合しているDirectX 12対応のゲームタイトルが,対象であるとのこと。
 Vulkan API対応タイトルや,サードパーティ製のプラグインを使用しているタイトル,あるいは署名のないFSR 3.1 DLLを使っているタイトルは対象外だ。

 また,超解像とフレーム生成のそれぞれで,次のような利点を得られる。

  • 条件を満たしたFSR 3.1.x対応タイトルは,自動的にFSR 4の超解像技術にアップグレードされる
  • 条件を満たしたFSR 3.1.4以降のフレーム生成対応タイトルは,自動でFSR 4によるフレーム生成にアップグレードされる

 これらの条件を満たすタイトルは,今後ゲーム側で特別な対応を行わなくても,AIモデルのアップデートによる画質や性能の改善が期待できるとのこと。AMD Softwareに同梱されている最新のAIモデルが使われるのだろう。

上はFSR 3,下はFSR 4で「Horizon Forbidden West Complete Edition」の同じシーンを描画したサンプル。滝のディティールを見ると,表現の差が分かりやすい
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 Radeon RX 9000シリーズのユーザーは,AMD Software 25.9.1のインストールによって,FSR 4の超解像やフレーム生成が利用できるゲームが一気に85タイトル以上に増加すると,AMDはアピールしている。詳細な対応タイトルのリストは,AMDの公式ページを参照のこと。

 余談だが,AMDは8月末に,ゲーム開発者向けのソフトウェア開発キット「AMD FidelityFX SDK 2.0.0」を公開した。
 その公開に先立ち,本来は非公開なAIベースの超解像関連ソースコードやリソースなどが,Githubで公開されてしまうというアクシデントがあった。
 誤って公開されたコードの中には,開発中と思しき「INT8」(8bit整数)のデータ型を用いたAIベースの超解像技術などが含まれていた。

 FSR 4は,AIモデルにRDNA 4から対応となった「FP8」(8bit浮動小数点数)を使用しているために,Radeon RX 9000シリーズ以降に限定されていると言われてきた。
 だが,INT8の行列演算ならば,RDNA 2世代のRadeon RX 6000シリーズ以降のGPUでも,理論的には対応できる。開発中のソースコードがFSR 4の対応GPUを拡大する可能性を示唆していると,一部で話題になっていたことを耳にした人もいるだろう。

 実際にはRDNA 4においても,INT8の疎行列処理のスループットが,RDNA 3に対し最大8倍に,INT8の行列積和算が最大4倍に引き上げられている。Radeon RX 9000シリーズでも,FSRでINT8を使用することにより,フレームレート向上が期待できるだろう。
 そういう事情があるので,INT8によるAIベース超解像技術が開発中だからといって,RDNA 2や3に対応するためとは,必ずしも言い切れない。

 とはいえ,超解像やフレーム生成は,シェーダ性能が低いGPUほど,恩恵が大きいのも確かだ。とくにAMDにとって戦略的に重要なCPU内蔵型の統合GPUでは,FSR対応は重要だろう。いまのところAMDの統合GPUが,RDNA 3.5世代で止まっていることを考えると,FSR 4の対応GPUアーキテクチャを広げる可能性は否定できない。今後のAMDの動きを注視しておこう。

 そのほかにもAMD Software 25.9.1では,新作アクションアドベンチャー「Hell Is Us」と,9月12日発売予定のアクションRPGシリーズ新作「Borderlands 4」に対応する。
 どちらもとくに性能向上はアピールしていないので,AMDが動作を確認したということだろう。

### 以下,英文リリースノートまとめ ###

●AMD Software 25.9.1の対応GPU
  • Radeon RX 9000シリーズ
  • Radeon AI PRO R9700シリーズ
  • Radeon RX 7000シリーズ
  • Radeon RX 6000シリーズ
  • Radeon RX 5000シリーズ
  • Radeon RX 7000M/7000Sシリーズ
  • Radeon RX 6000Mシリーズ
  • Radeon RX 5000Mシリーズ

●AMD Software 25.9.1の対応APU
  • Radeon AI 300シリーズ
  • Ryzen 9000シリーズ
  • Ryzen 8000シリーズ
  • Ryzen 7000シリーズ
  • Ryzen 6000シリーズ
  • Ryzen Mobile Processors with Radeon Graphics(※RDNA世代以降)

●AMD Software 25.9.1が統合するコンポーネント(※比較対象はAMD Software 25.8.1)
  • Display Driver Version:25.10.25.10-250825a-418637C-AMD-Software-Adrenalin-Edition(←25.10.25.01-250724a-417878C-AMD-Software-Adrenalin-Edition)
  • UI:2025.0425.1714.2068
  • AMD Windows Driver version:32.0.21025.10016(←32.0.21025.1024)
  • 2D Driver:8.1.1.1634
  • Direct3D Driver:9.17.11.0281
  • OpenGL Driver:25.04.250223_d1f9d32
  • Audio Driver:10.0.1.40
  • Vulkan Driver:2.0.353
  • Vulkan API:1.4.315

●AMD Software 25.9.1における最適化
  • 記載なし

●AMD Software 25.9.1における新要素
  • FSR 4の新機能に対応
  • 「Hell Is Us」「Borderlands 4」に対応

●AMD Software 25.9.1で解決した問題
  • Radeon RX 6600シリーズGPUで,「マフィア:オリジン 〜裏切りの祖国」をプレイ中に(グラフィックス表示が?)破綻することのあった問題
  • Radeon RX 9000シリーズGPUで,FSR 4を有効化して「明末:ウツロノハネ」をプレイすると,断続的にゲームがクラッシュしたり,ドライバのタイムアウトが発生することのあった問題
  • Steam VRを利用中に,PlayStation VRコントローラー(※PlayStation VRシューティングコントローラーと思われる)が検出されない問題
  • Radeon RX 7800/7700/7600シリーズGPUで,AMD Softwareで録画を行いながら「モンスタハンター ワイルズ」をプレイすると,断続的にゲームがクラッシュしたり,ドライバのタイムアウトが発生することのあった問題

●AMD Software 25.9.1における既知の問題
  • Radeon RX 7900シリーズGPUで,「The Last of Us Part II」をプレイ中に,断続的にゲームがクラッシュすることがある
  • Radeon RX 9000シリーズGPUで,「Call of Duty: Black Ops 6」プレイ中に断続的にゲームがクラッシュすることがある
  • Radeon RX 9070シリーズGPUで,「NBA 2K26」の「MyCAREER」モードをプレイ中に,断続的にゲームがクラッシュすることがある。AMDは現在,この問題の早期の解決に向けて取り組んでいるとのこと
  • Ryzen AI 300シリーズやRyzen 7000シリーズなど一部のAMD製APU製品で,「FBC: Firebreak」をプレイ中に,断続的にゲームがクラッシュすることがある
  • Radeon RX 7000シリーズなど一部のAMD製GPUで,一部のVR HMDのリフレッシュレートを80Hzまたは90Hzに設定してゲームをプレイすると,表示がカクつくことがある。リフレッシュレートを変更することで,この問題を一時的に回避できるとのこと
  • Radeon RX 7000シリーズGPUで,「GTFO」をプレイ中に表示の破綻が発生することがある(※missing scan travel linesとあるので,水平方向の表示の欠落や破損が発生するものと推測される)
  • 「Cyberpunk 2077」において,パストレーシングを有効にした状態でゲームのセーブデータをロードしようとすると,ゲームのクラッシュやドライバのタイムアウトが発生することがある

  • 関連タイトル:

    AMD Software

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