
連載
月刊ブロックチェーンゲーム通信 第19号。今回の分析ターゲットは「Yukichi.fun」
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なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……? ということは知っていても,どんなタイトルがあって,どういうもので,どれくらいの人が遊んでいて,中では何が行われているのか,実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが,ブロックチェーンゲームです。
なのでこの連載では,毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向,そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し,まとめて皆さんに紹介します。前回は「SyFu(サイフ)」を深掘りしましたが,今回は誰でも簡単に独自トークンを作成できる「Yukichi.fun」を紹介します。
いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は,詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを知るためには,大いに参考になるはずです。
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【2025年5月】BCGマンスリーレポート(double jump.tokyo)
「月刊ブロックチェーンゲーム通信」記事一覧
ブロックチェーンゲームのユーザー数ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | MAU | 先月比 |
1 | World of Dypians | MMORPG | 271万 | -9% |
2 | Pixudi | ボードゲーム | 200万 | +15% |
3 | SERAPH | アクションRPG | 110万 | +21% |
4 | Karat Galaxy | カジュアル | 77万 | -13% |
5 | Moto DEX | レース | 77万 | +64% |
※DappRadarから引用(2025年4月20日時点)。なおユーザー数は,各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
「Karat Galaxy(カラット・ギャラクシー)」は,ブロックチェーン技術を活用したWeb3型のゲームプラットフォームです。プレイヤーは宇宙を舞台に,ウサギ型のキャラクター「Karat Guardians」と共に鉱山を探索し,「KARAT」トークンを採掘・獲得しながらNFTやDeFi要素を組み合わせた冒険を楽しめます。
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分散型取引所のPancakeSwapのネイティブトークンである「CAKEトークン」を,ゲーム内の「ゴールドクレジット」に交換してゲームをプレイします。
ゲームを進めることで「ハッシュパワー」と呼ばれる採掘効率パラメータが上昇し,これによって「KARAT」トークンをより多く獲得できるようになります。
さらに,ゲーム中に入手できる「ブラインドボックス」からはNFTアイテムが出現し,これらがハッシュパワーを強化するバフ効果を発揮します。
つまり,CAKEトークンを投入してゲームをプレイし,その成果としてKARATトークンを獲得するという,現実の経済とゲーム内経済が直結した仕組みになっています。
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「Karat Galaxy」公式サイト
ブロックチェーンゲームの取引高ランキング
順位 | タイトル | ジャンル | 取引高 | 先月比 |
1 | Axie Infinity | TCG | 2218万ドル (約31億8904万円) |
-21% |
2 | Gods Unchained | TCG | 700万ドル (約10億646万円) |
-12% |
3 | NIGHT CROWS | MMORPG | 672万ドル (約9億6620万円) |
-8% |
4 | Moto DEX | レース | 411万ドル (約5億9094万円) |
-3% |
5 | The Sandbox | サンドボックス | 239万ドル (約3億4363万円) |
+47% |
※DappRadarから引用(2025年4月20日時点)。取引高ランキングは,各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
「The Sandbox」(PC)は,ユーザーが仮想空間「LAND」を所有し,ゲームやアートなどの体験を自由に創造・共有できるWeb3型のブロックチェーンゲームです。
「The Sandbox」の最新イベント「Alpha Season 5」は,2025年3月31日より6週間にわたって開催されています。本シーズンの目玉は,映画「ジュラシック・ワールド」とのコラボレーションによる新エリア「Jurassic World: Dinosaur Preserve」です。
プレイヤーは恐竜保護区のスタッフとして,資源収集や恐竜の保護活動を行いながら,ゲーム内通貨「ジュラシックポイント(JPts)」を獲得し,恐竜の卵を育てることができます。
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メタバース「The Sandbox」で新シーズン「Alpha Season 5」が開催中。「ジュラシック・ワールド」や「進撃の巨人」などとのコラボを実施

Web3メタバースのThe Sandboxは,新シーズン「Alpha Season 5」を開催中だ。今回のAlpha Season 5では,「ジュラシック・ワールド」や「進撃の巨人」「ヘルボーイ」「ターミネーター」などのコラボゲームが登場するイベントを開始している。
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- 編集部:ルネ
報酬獲得には,バトルパスの進行が重要です。クエストをクリアして「エトスポイント(EP)」を集め,バトルパスのレベルを上げることで,SANDやNFTなどの報酬が得られます。アルファパスを購入すると,プレミアム報酬へのアクセスが可能になります。また,プレミアムエリアへのアクセスには「カテゴリキー」が必要で,これにより特別なクエストに挑戦できます。
「The Sandbox」は,ゲームプレイだけでなく,ユーザー主導の経済圏としても注目を集めており,今後の展開が期待されています。
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【PR】話題のメタバース「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」の魅力と始め方を紹介。作成したアイテムやゲームを仮想通貨で販売できる

プレイヤーが作成したアイテムやゲームを仮想通貨で収益化できるメタバースとして,その将来性が注目を集めるBacasable Globalの「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」。現在進行形でさまざまな企業や著名なIPがが参入し,その規模を徐々に拡大している本作の魅力と始め方を紹介していこう。
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- ライター:箭本進一
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「The Sandbox」公式サイト
「Yukichi.fun」
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日本の規制への配慮として,総供給量は100万トークン以下,取引最小単位は1トークンに制限されており,決済・投資・ガバナンスなどの用途は禁止されているため,暗号資産や証券に該当するリスクを回避した設計となっています。
このため,発行されたトークンはNFTに近い形で扱われるのが特徴です。
支払いは,WOASやMCHC,MSMといった複数のOasys上の通貨に対応しており,同チェーンのエコシステムとも密接に連携しています。また,トークンの流動性提供は完全にユーザー主導で行われ,プラットフォーム側は介入しない仕様となっています。
こうしたトークンは,ファンコミュニティやイベント参加者への特典として活用され,コミュニティの活性化ツールとしても機能しています。
サービス開始から約1か月半で300種類以上のトークンが発行されており,ユーザーの自由な発想によって,イベント連動型のエアドロップや,同じゲームをプレイする仲間同士のつながりを生むなど,独自の文化が生まれつつあります。
ユーザー自身が創り出す"プレイグラウンド"として,注目を集めているといえるでしょう。
・トークン発行から取引までの流れ
発行の流れは非常に簡単です。画像をアップロードし,トークンペア,名称,ティッカーなどを設定し,発行のトランザクションを通すだけです。
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発行後は,Yukichi.fun上で売買が可能となります。取引は日本の規制を考慮して,最小取引単位が1枚に設定されています。基本的には値上がり期待で買うものではなく,発行したユーザーとのつながりを持ちたい場合や,イベント的に購入しているパターンが多い印象です。
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取引画面やメイン画面で見かけるパーセンテージは,そのトークンの発行比率です。100%になると,Gaming DEXにリスティングされて,そちらでも取引できるようになるという仕組みになっています。
・Yukichi.funの遊び方
「Yukichi.fun」は,法的には有価証券でも暗号資産でもない一方で,ミーム的で熱量のある自己表現の手段を提供するユニークなトークンプラットフォームです。
NFTという枠に縛られず,「自己」「推し」「思想」「遊び」などを自由にトークン化し,デジタルおもちゃのように楽しむことができます。
たとえば,SNSプロフィールに自分だけのYukichiトークンを設定すれば,それはオンチェーンで固定された名前・肩書・アバター付きの「デジタル名刺」となり,他者との名刺交換を通じてつながりを構築できます。
また,配信者やクリエイターがファンクラブトークンとしてトークンを発行し,ファンが購入・保有することで特典を得るといった,推し文化の新たな形も実現可能です。さらに,ギルドやコミュニティでの「デジタルユニフォーム」として同一トークンを配布し,メンバー間の一体感を高めるといった活用もあります。
こうした遊び方はあくまで一例にすぎず,ユーザーがルールの範囲内で自由に創造し,楽しむことができる点がYukichi.funの最大の魅力です。
・コイン発行数
前述のように,ローンチから1か月半で300種類以上のトークンが発行されています。発行者はブロックチェーンゲーマーが多く,VTuberやインフルエンサーによる発行も見られます。
ただし,一部のインフルエンサートークンは,なりすましによって発行されたものであり,購入には注意が必要です。
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熱量のあるユーザーは,自分で発行したトークンを特定のゲームをプレイしているユーザーや,特定のトークンホルダーに向けて配布しており(エアドロップ),コミュニティを盛り上げようとしたり,純粋に発行や配布プロセスとそれに伴うSNSでのつながりを楽しんだりしています。
・オンチェーンデータ
オンチェーンデータを見ると,新しいトークンペアが追加されると,そのトークンに関連したコミュニティメンバーがトークンを発行しているようです。デイリーのユーザー数は数十ウォレットと多くはないですが,コミュニティのデジタルおもちゃとして,Oasysのブロックチェーンゲーマーでの認知度は上がってきている印象です。
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・まとめ
「Yukichi.fun」は,誰でも簡単にトークンを発行できるノーコード型のプラットフォームで,自己表現やファン活動,コミュニティ形成を目的とした"デジタルおもちゃ"として注目を集めています。
日本の法規制を意識した設計で,NFTに近い形で安心して利用できる点も特徴です。エアドロップやSNSでの名刺的活用など,ユーザー主導の遊びと文化が広がりを見せています。
「Yukichi.fun」公式サイト
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