
企画記事
「スプラトゥーン3」大型アップデートから約1か月。復帰組にSwitch2でデビュー! な皆さん,夏本番な今こそ熱いバトルに身を投じてみなイカ?
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2025年6月の大型アップデートから約1か月。当初あった軽微な不具合等も修正され,「スプラトゥーン3」をより精細かつ滑らかなグラフィックスでプレイできる新ハード・Nintendo Switch 2も少しずつ世の中に出回り始めている。
Switch2を手に入れた人,「アプデなんかすごいらしい」と聞いた人,世の中は夏休みな時期に入ったし,スプラデビューや復帰を考えるのにいいタイミングだろう。Switch2用ソフト「スプラトゥーン レイダース」の発表もあったし,気持ちを作っておくのもいいだろう(発売はまだいつになるか分からないけど)。
かく言う筆者も,ここ半年ぐらいは都合で疎遠気味になっていた“復帰組”だったりする。その後のアップデートと新ハードで,どんな変化が感じられるのかを実際に確かめてみた。
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「スプラトゥーン3」公式サイト
「スプラトゥーン3」の「今」とは? 予想外のVer.10.0.0がもたらした変化
ところで,以前から本作をプレイしている人は昨年9月のグランドフェス直後の発表を覚えているだろうか? 公式側はグランドフェスティバルをもって「発売から2年間と予告していた定期的なコンテンツ追加は終了」としていたので,バトルに関しては軽微なバランス調整やバグ修正程度しかないと思っていた人も多いのではないだろうか。
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しかし2025年6月12日に配信された大型アップデートVer.10.0.0は,そこからは想像もできないような要素が数多く追加され,多くのプレイヤーにサプライズ的に受け止められることとなった。
まずもっとも大きいのが,新たなブキが30種類も追加されたこと。既存のメインウェポン(以下メイン)に,これまでとは異なるサブウェポン(以下サブ)とスペシャルウェポン(以下スぺシャル)を組み合わせた,新しいセットが増えたわけだ。
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全体的な傾向としては,どの距離でもそれなりに戦いやすいブキが増えた印象で,初心者や復帰勢がフィーリングで選んでも大丈夫そう。
もちろん本稿でそのすべては紹介しないが,「これは使いやすい!」「これはピーキーで面白い」と感じたものをいくつかピックアップしよう
塗りも戦闘も得意! 選んでまず間違いないブキ
■ドライブワイパーRUST
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塗れる範囲が広く,自分より射程の短い相手に強気に出やすいメインと,遠距離の敵に有効なスペシャル「ウルトラショット」が組み合わさった攻撃的なセット。サブ「カーリングボム」は牽制だけでなく,後方からの奇襲などにも使える。
■LACT-450MILK
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塗りが強いメイン,敵をあぶりだすサブ「トーピード」,弾を投げた位置にインクの爆発を起こすスペシャル「ナイスダマ」の組み合わせ。トーピードで相手の位置を知り,爆風でダメージを与えられるため,そこにメインを合わせて相手を倒しやすくなった。
■モップリン角
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段差を使った攻防と,塗りが得意なメインで相手を寄せ付けず,後方からスペシャル「カニタンク」の強力な射撃で敵の防衛を崩していける。このセットの「カーリングボム」は奇襲用というより,敵味方が交戦するラインに素早く参加するのに便利。ただ,スキを見て敵の後方に侵入,カニタンクを発動して崩壊に追い込むのもロマンがある。
ルールや地形,相手によって刺さるブキ
■プライムシューターFRZN
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塗りは不得意でヒト状態のスピードも遅いが,精度の高いメインと,苦手とする至近距離や遠距離をカバーできるサブ「スプラッシュボム」のシナジーで対応できる状況が広い。スペシャル「マルチミサイル」の牽制力と索敵力も強みだ。だが,味方との連携が難しい盤面では塗りの弱さもあり,行動が限られやすい。
■ジェットスイーパーCOBR
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メインは1発のダメージは低いが射程が長い。サブ「クイックボム」を遠投し、敵を足止めしつつダメージを与えると相手を倒しやすい。ただしスペシャル「ウルトラチャクチ」はその長所とシナジーがあるわけではないので,メインとサブの練度がモノをいう。
■ハイドラント圧
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これはわかりやすいセット。長射程かつ強力だがチャージ時間が長いメインを補う組み合わせだ。重要ポイントを奪取できればスペシャル「グレートバリア」で長く居座ることができる。サブ「スプリンクラー」を盾にすることでもチャージ時間を稼げ,瞬間的に足場を作って後ろに引くことも可能。ただ,起伏の大きいステージではそこまで強みが出ない。
ちょっとクセの強いブキもちらほら
さらに,一点突破型のセットや,クセのあるスペシャルを持つものも加わっている。こちらは中級者以上がちょっと変わった戦い方を試してみるのに丁度いい。プライベートマッチ(フレンド同士で集まって遊ぶモード)で,ハンデがわりに使ってみるのも面白いかもしれない。
■ヒッセンASH
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メインの射程の短さを補えるサブ「スプラッシュボム」を持ち,スペシャル「スミナガシート」で相手の動きを制限しつつ,前線で戦えるブキ。ただ,このスペシャルは見えていない相手の位置を読んだり,マップ上の急所(押えられると相手が行動しにくくなる場所)を見極められる中・上級者向け。「ここ!」というタイミングで相手の動きを邪魔できると強い。
■スパイガジェット繚
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相手を倒すのは難しいが,相手の攻撃に少しだけ耐えられるメインと,サブ「カーリンングボム」,スペシャル「メガホンレーザー」の組み合わせ。どれも有用ではあるが,相手を倒す決定力に欠ける。そこで,メガホンレーザーで牽制しつつ前に出て,無理そうなら引くといった,冷静かつ緻密な戦い方が求められる。
以上,数多く追加されてつい目移りするかと思うが,普段使っているメインやスペシャルを軸に探せば,きっとお気に入りが見つかるだろう。上では挙げていないが,スペシャル「テイオウイカ」を持つ「スプラシューター煌」や「ホクサイ彗」は,ガチヤグラやガチホコなどのルールで強烈に刺さりやすい。
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そして何より,ブキの見た目のデザインがどれも素晴らしい。個人的に「スプラトゥーン3」のデザインワークは「過激な攻め」と「孤高かつポップ」な味があって120点! と感じていたのだが,今回はその真骨頂といったところだ。
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ジェットスイーパーCOBRはミリタリーなアイテムが似合う |
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スプラマニューバ耀はなんとラメ入り。ギアとのコーデも楽しめるはず |
ブキチャレパワーの実装とマッチングの感触
また今回のバージョンより,バンカラマッチ(チャレンジ)では「ブキチャレパワー」が計測されるようになった。こちらは,使うブキごとの強さを示す指標で,「その値が近いプレイヤー同士で対戦するようになる」と発表されている。Xパワーとは異なり,パワーも1試合ごとに増減する。
これが追い風になったか,あるいは逆風となったかは,それぞれのプレイヤーのスタイル次第といったところ。7月に入ってから遊び始めた筆者の感覚では,パワー測定で普段のXパワーに近い数値が出たブキでは,以前とあまり変わらない質の試合ができていると感じる。
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活躍できれば素直に勝つし,パッとしなかった試合では負けるという具合で,「なんとなく勝ってしまう」試合はほとんどない。またXマッチより編成の制限が緩くなっているようで,片方のチームにだけ2人長射程ブキがいる試合などもちらほら見かける。
一方,普段のXパワーよりかなり低めに出たブキや,まったく使ったことがないブキの場合,ウデマエSやS+でも試合のルールや残り時間を気にする余裕がなさそうなプレイヤーが混ざるようになる。おそらく,新規プレイヤーや復帰したプレイヤーもそれなりにいるのだろう。
初心者にも丁度いい環境という気もするし,参加者の腕がバラバラで運に左右される,と感じる人もいるかもしれない。なお,自分で試合を引っ張ってどんどん勝てば,ブキチャレパワーはすぐに100,200と上げることができた。
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と,このようにかなり「不安定」なものなので,今回加わったブキチャレパワーを含む「スプラトゥーン3」における各種パワーは,あまり厳密なものと考えなくてよさそうだ。公式からは大まかな仕組みしか発表されていない以上,自己最高記録の更新を目指すのはいい目標にはなるが,あまり気にしすぎるのも不毛だろう。もちろん,上手いプレイヤーと試合する機会が多ければ,それだけ本人の実力も上がりやすいし,高いパワーが出やすくなるのも確かなのだが。
ともかく,バンカラマッチ(チャレンジ)ではブキごとにパワーが測定され,「使うブキごとにマッチングする相手が変わる」ようになったので,遠慮せずさまざまなブキを使って楽しんでみてほしい。
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懐かしくも新しい「デカライン高架下」
また初代「スプラトゥーン」にあったステージ「デカライン高架下」が,リニューアルされて復活。初代のデカラインの狭さ(デカいのか狭いのか)や,リリース後に大規模な調整(公式では工事中と発表されていた)が行われたことを知る筆者としては,だいぶ広々としたデカライン高架下に時代の流れを感じたが,まあそれはそれ。
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塹壕で区切られたふたつの高地を巡る攻防や,突破できるかどうかが勝負を分ける「フェンス」は,初代を遊んだことが無い人には特に新鮮なはずだ。
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バトルの傾向としては,起伏のある地形を得意とするブラスターやローラー,スロッシャー系が活躍しやすい。また敵陣奥に向かうための通路は細く,そこを見下ろす高台からの反撃も激しくなりがち。そのため遠くの敵を攻撃・牽制できるスペシャルを使用しないと攻め崩しにくい。特にガチヤグラ,ガチホコ,ガチアサリのルールでは,先に大きなカウントをとった側が圧倒的に有利になる。
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コツをつかむのが重要なマップだが,まずは細かいことは気にせず体で感じてみるのがいいだろう。なかなか難しいと思ったら,上で挙げたようなヒントを元に戦い方を考えてみてほしい。
Switch2で快適性は確実に向上する!
さて気になるSwitch2でのプレイ感だが,実際のところはそこまで劇的な体験の変化はない。ただ映像が精細になったぶん,わずかなインクのしぶきも見え,遠くの様子もよく見えるので,索敵面では若干有利なような気もする。
また、以前なら処理落ちが起こりそうな,敵味方のスペシャルが入り乱れるタイミングでも動作がスムーズなまま。少なくとも筆者が遊んだ範囲では処理落ちに気がつくことはなかった。
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ついでにSwitch2 Pro コントローラーの使い心地にも触れておくと,特にエイムしやすくなった,塗り広げやすくなった,などの顕著な違いは感じられない。ただスティックが縁に当たる音は確実に小さくなったし,新たに増えたGRボタンやGLボタンに,スペシャルの発動,カメラのリセット,ジャンプ,スクリーンショットやクリップの撮影などを割り振ると便利かもしれない。
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個人的には操作方法を変えると肝心なときのミスが怖いのと,買ったばかりのSwitch2 Pro コントローラーはスティックや十字ボタンの操作感がまだ硬く,操作ミスしやすかったこともあり,しばらくは使い慣れた旧PROコントローラーを使い続けようかと考えている。
グラフィックスとフレームレートが安定したことで(TVモードではSwitch2では4K/60fpsに対応),試合には関係ない遠景までくっきりと見えるようになったのもポイント。一方,Switch版は処理落ちが起きにくいよう,遠景の一部が省略されるようになった。それらは「さんぽ」では省略されていないので,観たくなったらバトル中ではなく,さんぽで見にいこう。(言われるまでもないとは思うが)
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ロード時間の短縮については,ゲームの起動や画面切り替えが全体的に短縮されているが,バトルに関してはSwitch2とSwitch1が混じってマッチングする場合,Switch1のロード時間に合わせることになる。このメリットは,Switch2を持ってるプレイヤー限定でプライベートマッチを行う場合くらいしか体感できなさそうだ。
なお一部のプレイヤーからは,スリープ解除後の音声の不具合や,同期ズレの問題なども報告されている。筆者も軽い音の不具合に遭遇したが,Switch2本体のオーディオ出力先の設定を「自動」ではなく,手動で設定したり,ゲームを起動しなおしたりすることで解決できた。あくまで筆者の環境での話だが,参考になれば幸いだ。
同期ズレに関しては,普通の試合は普通で,ごくたまに同期ズレが目立つ試合はとにかくズレる,といった感じ。環境にSwitch2とSwitch1が混ざっていることよりも,プレイヤーそれぞれの通信環境の影響や,ネット全体のトラフィックの混雑のほうが影響が大きいように思える。基本的なことだが,快適な対戦を望む場合は光回線などの固定回線を契約し,Switch2とルーターを有線で接続することが推奨される。スマートフォンなどのテザリングでもプレイは可能だが,他のプレイヤーにとってはラグや同期ズレの原因となりうることは理解しておいてほしいところだ。
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というわけで,はじめての人も,だいぶお久しぶりな人も,ちょっと新しくなった「スプラトゥーン3」を遊んでみてはイカがだろうか?
Switch2や新PROコンがあればより楽しめるし,まだ手に入らなくてもバトルで不利になったりはしない。新たなブキとステージ,そしてまだまだ進化を続ける熱いバトルがあなたを待っている。
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「スプラトゥーン3」公式サイト
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