
テストレポート
写真で見るAndroid携帯ゲーム機「AYANEO Pocket ACE」。質感の良いレトロゲーム向けのポケットサイズゲーム機だ
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4.5インチ液晶のポケットサイズなAndroidゲーム機「AYANEO Pocket ACE」が6月下旬に国内発売決定

2025年5月28日,天空は,AYANEO製の携帯型Androidゲーム機「AYANEO Pocket ACE」を6月末に国内発売すると発表した。予約受付は同日に開始している。4.5インチという小さな液晶ディスプレイの左右にゲームパッド部分を配置したポケットサイズが特徴だ。
そんなAYANEO Pocket ACEの実機を,クラウドファンディングキャンペーンに応募していた弊誌編集長が入手したので,簡単に写真で紹介しよう。
AYANEO Pocket ACEは,今どきのスマートフォンよりもやや小さい筐体に,4.5インチサイズで解像度1620×1080ドット,アスペクト比4:3のIPS液晶パネルとゲームパッド機能を盛り込んだ携帯ゲーム機だ。Android搭載の携帯機ではあるが,携帯電話系の通信機能はなく,インターネット接続には内蔵の無線LAN(Wi-Fi)機能を用いる。
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SoC(System-on-a-Chip)には,Qualcommがゲーム機向けに開発した「Snapdragon G3x Gen 2」を採用する。このSoCは,2024年7月に国内発売となったAndroid携帯ゲーム機「AYANEO Pocket S」でも採用されていたもので,ハイエンド市場向けのゲーマー向けスマートフォンには及ばないが,その6〜7割程度のグラフィックス性能を備えるものだ。
なお,メインメモリ容量12GBで内蔵ストレージ容量256GBの下位モデルと,メインメモリ容量16GBで内蔵ストレージ容量1TBの上位モデルがラインナップされており,税込価格は順に8万4800円,9万9800円だ。
メーカー | AYANEO |
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OS | Android 13 |
ディスプレイパネル | 4.5インチ液晶 |
プロセッサ | Qualcomm製「Snapdragon G3x Gen 2」 ・CPUコア:Kyro(8コア) ・GPUコア:Adreno A32 |
メインメモリ容量 | LPDDR5X 12GB,16GB |
ストレージ | 256GB,1TB |
アウトカメラ | 未搭載 |
インカメラ | 未搭載 |
無線LAN対応 | Wi-Fi 7(IEEE 802.11be) |
Bluetooth対応 | 5.3 |
バッテリー容量 | 6000mAh |
連続駆動時間 | 未公開 |
USBポート | USB 3.2 Gen 2 Type-C×1 |
公称本体サイズ | 176(W) |
公称本体重量 | 約310g |
ベンチマーク性能が重要なハードではないが,いちおうAndroid版「3DMark」の計測結果を載せておこう。いずれも2回計測で,AYANEO Pocket ACEの動作モード「Performance Mode」は「Balance」で計測した。3DMarkのスコアは,最高性能を引き出せる動作モード「Max」でも,ほとんど変わらないためだ。
スコアからすると,2024〜2025年のハイエンドスマートフォンと比べて,半分から6割程度のグラフィックス性能と理解していい。
Steel Nomad Light | Solar Bay |
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1077 | 4994 |
各部を見ていこう。
AYANEO Pocket ACEは,アナログスティックが画面を挟んで下側に並列で並んだ「PlayStation Vita」と同じレイアウトを採用している。各アナログスティックは,磁気ホール式センサーを採用しており,使い込んでもドリフト現象を起こしにくい。
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AYANEO Pocket ACEの下側面には,充電や周辺機器との接続に使うUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポートがある。
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一方,上側面には,[L1/R1]バンパーや[L2/R2]トリガーのほかに,指紋認証センサー内蔵の「電源/スリープ」ボタンや音量調整ボタン,そしてユーザーが機能を割り当てられる[LC/RC]ボタンが並んでいた。
ちなみに,[L2/R2]トリガーにも,磁気ホール式センサーを採用しているそうだ。
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そのほかに,右側面にmicroSDカードスロットがある。携帯電話系の通信機能はないので,SIMカードスロットはない。
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液晶パネルのサイズやアスペクト比から想像が付くとおり,AYANEO Pocket ACEは,レトロゲームやレトロ調ゲームのプレイに適したゲーム機だ。……ぶっちゃけてしまえば,レトロゲームをエミュレータで動かすのに適したゲーム機と言えなくもないが,本稿では触れないこととする。
そこで実際に,Android向けのレトロゲームとして,ゲームパッドでの操作に対応している「メタルスラッグ4 アケアカNEOGEO」(以下,メタルスラッグ4)をプレイしてみた。
次の写真は,プレイ中のスクリーンショットを表示した状態だ。周囲に黒帯が表示されてしまっているが,映像のピクセルは鮮明で,見映えは非常にいい。
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また,プレイしていて感心したのは,AYANEO Pocket ACEの質感が非常にいいことだ。とくに高価な外装素材を使っているわけではないが,ボディやボタン類を触っても安っぽさを感じることはない。ボタンの押し心地もよく,連打していても,変にグラついたりすることはなかった。
AYANEO独自のホームアプリである「AYA SPACE」は使いやすいし,Android側も,ボタンとアナログスティックで快適に操作できる。さすがに携帯型ゲームPCやAndroidゲーム機で豊富なノウハウを有するAYANEO製だと感心することしきりだ。
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ただ,すべてのAndroidゲームに適した製品ではない。大抵のスマートフォン向けゲームは,6〜6.7インチサイズ,アスペクト比でいえば16:9〜20:9程度のスマートフォンの画面を前提に作られているので,AYANEO Pocket ACEの画面に表示するには適さないのだ(※表示できないわけではない)。
今回はガチのレビューではないので,ちょっと試してみた程度だが,たとえば「勝利の女神:NIKKE」はちゃんと表示できるものの,画面サイズの小ささとアスペクト比の違いによって,プレイはできるが快適とは言いがたかった。
やはり4.5インチの画面では,レトロなピクセルアートのゲームのほうが適するだろう。
ハードウェアの特徴から,レトロゲームやレトロ風ゲームに特化したゲーム機ではあるものの,質感は非常に良く,プレイしていて楽しいマシンではある。どこにでも持ち歩けるレトロゲームマシンが欲しいという人なら,AYANEO Pocket ACEは試してみる価値がありそうだ。
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