
プレイレポート
[プレイレポ]リリースを望む声も多かった「Delta Force」コンシューマ版を先行プレイ。PCとのクロスプレイにも対応する仕上がりはいかに
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とくに日本市場からは,実装を望む声が非常に大きかったというコンシューマ版。すでにサービス中のPC版,モバイル版とのアカウントプログレッションのほか,PC版とのクロスプレイにも対応する。
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国内でもPCでゲームする人がかなり増えたとはいえ,それでも,コンシューマ機の確固たる基盤は大きい。アクティブユーザーの増加という面はもちろんだが,プレイヤーからすれば「PCを持っていなかったフレンドとも一緒に遊べる」という点も,非常に大きなポイントになるだろう。
そんなコンシューマ版の配信開始に先駆け,4Gamerはテスト版をプレイする機会を得た。筆者(夏上シキ)と,編集部のS.K.Y.の2人で手触りを確認してきたので,その模様をお届けする。また,開発を担うTeam Jadeのメンバーが来日し,今後の展開や,ビジョンについてさまざまな話を聞けたので,併せて本稿でお伝えしたい。
PC版に近い手触りのコンシューマ版。テストバージョンながら動作も安定
先だって断っておくと,4Gamerでは「そもそもDelta Forceとはなんぞや」という記事を,すでにいくつか掲載している。そのため本稿では,作品自体の解説は割愛させていただくので,その点ご了承いただきたい。
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さて,今回プレイしたのは,PlayStation 5を利用した開発中のテストバージョンである(本稿に掲載されている画像も,すべてプレイ画面をキャプチャしたもの)。Team Jadeの担当者からは「開発中のビルドのため,不安定な箇所が見受けられるかもしれない」と言われていたが,約2時間ほどのプレイ中,バグやフリーズ,不安定な動作などには,まったく遭遇しなかった。
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先行してリリースされているPC版では,それなりに行えるキャラクターコントロールが多く,必然的に使用するキーも多めだった。先だって,PC版でもPAD(コントローラ)に対応しているが,コンシューマ版がリリースされるにあたり,あらためてPAD操作レイアウトが気になる人も多いはず。以下に,デフォルト設定のレイアウトを一部掲載するので,確認してほしい。
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FPS作品として手堅くまとまっているレイアウトだが,本作が持つ,ヒーローシューター要素に代表される一部の操作は,特定のボタンやトリガーを組み合わせることで,発動する。キャラクターの移動,視点移動などの一部を除き,ボタンやトリガーの配置は自由にカスタマイズ可能で,感度も細かく設定できる。最近のFPSらしい,高水準なカスタマイズ性だろう。
ウォーフェア,オペレーションズ,双方のモードともに,ロビー画面はPC版とほぼ同じ。もちろん,各項目に対応するショートカットボタンも配置されている。
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実際にゲームをプレイしてみたが,いわゆる「基本的なガンファイト」については,まったく問題なく行えた。エイムアシストも吸いつくようなレベルではなく,かといって,効いているのかが分からないような,ハイスキルなプレイヤーを前提としたものでもない。絶妙なラインを狙っている印象だ。
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ただ,ADS時のリーン(覗き込み),スキル,装備が絡んでくると,これらを1つのキーで発動できるPC版の操作性には,物理的に敵わない部分が見受けられる(高倍率のスコープを装備したスナイパーライフルなども扱いにくさはある)。
ただ,それでも「かなり頑張っている」ことは間違いなく,物資管理や回復が要求されるオペレーションズでも,とくに問題なくプレイできた。先述した配置レイアウトのカスタマイズで,ある程度は改善できる部分もあるだろう。
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また,PAD操作の利点として,ウォーフェアのビークルが非常に扱いやすいことが挙げられる。オン/オフの一律で動きが判定されるキーボードとは異なり,その中間が存在するため,直感的な細かい操作がしやすいのである。とくに攻撃ヘリは扱いやすいと思うので,試してみてほしいところ。
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なお,先にも記したが,コンシューマ版のプレイヤーは「PCとのクロスプレイ(マッチメイキング)」を,ゲーム内設定でオンオフの切り替えができる。PCプレイヤーと一緒にマッチすることも,コンシューマプレイヤー同士でマッチすることも可能なので,嗜好に合わせて選択しよう。
開発チームが斬る,コンシューマ版「Delta Force」
ここからは,Team Jadeの開発メンバーへのインタビューを掲載する。今回,質問に回答してくれたのは,Publishing & Operations Director:Jesseca氏,Production Manager:March氏,Lead Engineer:Lime氏だ。
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4Gamer:
本日はよろしくお願いします。8月19日のコンシューマ版リリースにあたり,どのような期待とビジョンを持っていますか。
Jesseca氏:
よろしくお願いします。「Delta Force」として,PC,モバイルに続く,コンシューマでのリリースを目標に開発を進めてきましたので,最後のピースを送り出せることが待ち遠しいです。
新シーズン「ウォールブレイク」開始後は,Steamでの同時接続が最多を更新するなど,コミュニティも日に日に拡大しています。その中で,日本のプレイヤーの皆さんからは,PADへの対応やコンシューマ版のリリースなどを望む声を多くいただいており,我々としても,日本でのコンシューマ市場の重要性は理解しています。今回のリリースによって,より多くの方々に「Delta Force」を楽しんでいただきたいですし,継続して取り組みを実施していきます。
また,ゲーム内の日本語音声(キャラクターボイス)を準備していますが,実装時期はあらためてお伝えします。
4Gamer:
やはり,当初からコンソール版を望む声は大きかったのでしょうか。
Jesseca氏:
Team Jadeとしては,コンシューマ作品は今回が初のリリースとなります。そういった意味では非常に重要な存在ですし,今後のゲーム開発に対する貴重な経験になりますね。「Delta Force」フランチャイズは過去にコンシューマ版でもリリースされていますし,なにより,より多くのプレイヤーへプレイ環境をお届けできるという意味で,今回のリリースには,大きな期待を抱いています。
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4Gamer:
コンシューマで展開されるほかのF2Pシューターに対し,本作はどのような強みがあると考えていますか。
Jesseca氏:
いい質問をありがとうございます。まず,我々が本作の武器と認識しているのは,ゲーム自体のクオリティの高さと,豊富なコンテンツ量です。双方のモードで豊富なマップを楽しみつつ,多様な個性を持つオペレーターも11人から選択できます。もちろん,今後もコンテンツは,さらに拡充していきます。
もちろん,コンシューマ版にも世界中にファンを持つ「ブラックホーク・ダウン」を題材にしたモードを実装する予定ですし,コンシューマ向けに,PADでも快適にプレイを行っていただけるよう,すべての銃器を細やかに調整しています。また,年間を通したグローバルなeスポーツのプランを立てていますので,全体でコミュニティを盛り上げていきたいですね。
4Gamer:
コンシューマ版の開発自体は当初から始まっていたんでしょうか。
March氏:
はい。開発自体は当初からスタートしていました。ただ,我々も初となるコンシューマ版の開発ですし,快適なプレイを実現する最適化には時間が必要だったので,後発のリリースになっています。
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4Gamer:
最適化と言われましたが,重要視したポイントはどこですか。
Lime氏:
テンポの速いシューターなので,パフォーマンスは非常に重要な項目です。すべてのプラットフォームにおいて,安定して60fpsを維持できることを目標に調整を行いました。現在は120fpsにも対応できるよう,さらなる開発に取り組んでいます。
また,PADの操作性も重要な要素です。プレイ中は常に触れることになりますから,我々自身がプレイしてきたコンシューマタイトルの経験を生かし,ゲーマーを対象にしたテストも実施しつつ,チューニングを煮詰めました。そうした結果,我々としても「リリースできる」と確信できる品質に至ったので,今回のリリースにつながっています。
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March氏:
安定したパフォーマンスを実現するために,多くの時間を費やしましたし,テストユーザーからのフィードバックも多く取り込みました。ただ,これで終わりではなく,あくまでもスタートにすぎません。リリース後のフィードバックにもしっかりと耳を傾けながら,引き続き,システムの最適化,プレイ体験の最適化を行っていきたいと考えています。
4Gamer:
PCとのクロスプレイが行えるとのことですが,今後は「PC・コンシューマ」双方のデータを用いて,ゲームバランスを調整するのでしょうか。
Jesseca氏:
非常に難しい課題ですが,双方のプレイヤーが満足し,なおかつフェアな状態を目指していきます。ですので,プレイヤーの皆様からのフィードバックは大きく注視しています。
4Gamer:
先日,Steamの同時接続者数が過去最高を記録したとのことですが,コンシューマ版リリース後の,数字的な目標はありますか。
Jesseca氏:
幾度ものテストや開発を重ねてきたとはいえ,コンシューマでのリリースは我々も初めての経験なので,プレイ体験,バランスを含め,まずは「プレイヤーに楽しんでもらえるか」が最大の目標ですね。
逆におうかがいしたいのですが,先ほどのプレイセッションはいかがでしたか?
4Gamer:
普段,PADを使わないプレイヤーですが,基本的な操作は問題なく行えました。ある程度は自分好みにカスタマイズできますし,慣れの問題もあると思います。また,爆発やスモークなどのエフェクトが発生しているときでも,パフォーマンスが安定していてよかった。ガクッとフレームレートが落ち込むのは,大きなストレスなので。
PADを日常的に使い慣れていないので,ぎこちないプレイをお見せしてしまいましたが……。カジュアルなプレイヤーも含めると,これくらいのスキルでライトに遊んでいる層も多くいると思います。これも非常に難しい問題ですが,とくにウォーフェアは「命が軽い」ゲーム性なので,幅広い層,遊び方が楽しめるゲームにしてほしいですね。先ほどのプレイセッション中で,これから実装予定の固定翼機を開発中とうかがいましたが,ビークルの存在感も,ゲームバランスに大きな影響を及ぼしますから。
Jesseca氏:
ビークルは調整を重ねてきていますが,非常にデリケートな存在です。
4Gamer:
ビークル,とくに航空兵器の強さは難しいと思います。双方のプレイヤースキルにも大きく依存しますが,歩兵としてプレイしているプレイヤーがまともに対抗できなくなると,本当に打つ手がなくなってしまうんですよね。ビークルとしての爽快感はありつつも,いい具合のバランスを見つけてほしいなと(笑)。
Jesseca氏:
おっしゃる通りです。今後もしっかりと注視,調整を施していきたいと思います。
4Gamer:
話がそれてしまうのですが,日本市場のコンシューマ版では,ウォーフェアとオペレーションズ,どちらのモードが人気になると想定していますか。
Jesseca氏:
チームの意見ではなく個人の予想ですが,プレイしやすくハードルも低いので,初動では,ウォーフェアの人気が高くなる予感はしています。ただ,長期的に見た場合は,オペレーションズのポテンシャルも高いものがありますので,モードの魅力を知っていただくアピールも行いたいですね。
4Gamer:
正直なことをいうと,ミリタリー系の脱出シューターには,非常に強力なライバルがいるのも事実です。ただ「ゲーム実況,配信などを見て脱出シューターに興味はあるけど,PCは持っていない」という層には,かなり手に取りやすい存在になると思います。徹底的なハードコアを追及しているわけではなく,ヒーローシューター要素を取り入れたキャラクターのビジュアルも個性的なので,いろいろ“とっつきやすい”かなと。
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Jesseca氏:
我々としても「脱出シューターの面白さをより多くのプレイヤーへ体験してもらう」コンセプトを持って制作に取り組んでおり,コンシューマ版のリリースに併せる形で,さまざまなプロモーションを展開する予定です。さらなる周知を図るとともに,プレイヤーの皆さんに,継続的にプレイいただける環境づくりに励んでいきたいですね。
4Gamer:
最後に,日本のプレイヤーへ向けて,メッセージをお願いします。
Lime氏:
我々が重要視しているのは,とにかくプレイヤーの満足度です。日本のプレイヤーの皆さんから頂戴する意見,感想,改善すべきポイントなど,しっかりとフィードバックを受け止めて,より良いゲームへと歩みを進めていきます。「Delta Force」コンシューマ版のリリースを,ぜひ楽しんでいただければ嬉しいです。
4Gamer:
ありがとうございました。
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「Delta Force」公式サイト
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