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ヴァンサバを手掛けたponcleのパブリッシング部門に聞く,「Berserk or DIE」の魅力とは。1作目に選んだ理由と今後を聞いた[BitSummit]
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印刷2025/07/22 18:41

インタビュー

ヴァンサバを手掛けたponcleのパブリッシング部門に聞く,「Berserk or DIE」の魅力とは。1作目に選んだ理由と今後を聞いた[BitSummit]

 インディーゲームイベント「BitSummit the 13th」のponcleブースでは,新作「Berserk or DIE」が大きくフィーチャーされていた。巨大な顔出しパネルが設置され,今イベントの目玉タイトルの一つとして,来場者の注目を集めていた。

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 poncleといえば,あの「Vampire Survivors」を手掛けるイタリアのゲーム開発会社だ。2024年にパブリッシング部門を設立し,その1作目として選ばれたのが,この「Berserk or DIE」である。
 日本のNAO GANESが手掛ける「Berserk or DIE」は,キーボード全体を使って戦うアクションゲームだ。キーの種類を問わず,打鍵数が多いほど攻撃が派手かつ強力になるシステムで,ドカドカとキーを叩いて戦う型破りなバトルが楽しめる。

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 キーボードのキーをバンバン叩いて操作するアクションゲーム「Last Standing」が,京都・みやこめっせで2024年7月21日まで開催中の「BitSummit Drift」に出展されている。そんな,普段やらないであろう操作で遊ぶ,本作のプレイレポートをお届けしよう。

[2024/07/20 17:19]

 面白い作品なのは間違いないが,最初のタイトルにこれを選ぶセンスには,尖ったものが感じられる。新たに始動した“パブリッシャとしてのponcle”はいったい何を考え,どのような作品を求めているのだろうか。
 NAO GANESの柴田 直氏とponcleの代表取締役Luca Galante氏に,パブリッシャから見た「Berserk or DIE」の魅力や,今後の展望を聞いてみた。

大きな顔出しパネルのほか,壁面にハイスコアが掲出されるなど,BitSummit会場での展示はなかなか豪華なものだった
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NAO GANES公式サイト



掴んだチャンスをコミュニティに還元するために開始したパブリッシング事業


4Gamer:
 お時間をいただきありがとうございます。「Berserk or DIE」はponcleの初パブリッシングタイトルですが,それが日本のタイトルとは驚きました。どちらから,どんな形で声をかけたのでしょうか。

Luca Galante氏(以下,Luca氏):
 2024年,パブリッシングタイトルを探すためにBitSummitに初参加しました。いろいろなゲームを見たあとの最終日,帰る直前に柴田さんのタイトルを見つけたんです。座ってキーボードに触れて操作した瞬間,これは良いものだと直感しましたね。その場で柴田さんにコンタクトをとり,一緒にこのゲームを広めさせてほしい,とお願いしたくらいです。

柴田 直氏(以下,柴田氏):
 当時は本当に驚きましたよ。次の日には具体的な相談が始まって,どんどん話が進んでいきました。

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4Gamer:
 よほど求めるものにピッタリとハマったんでしょうね。パブリッシングタイトルを決定するにあたっての基準や,考え方についても伺いたいです。

Luca氏:
 「Vampire Survivors」で,私は幸運にもチャンスを掴みました。今度はそれをコミュニティに還元したいと思っていたんです。それは新興のデベロッパに躍進のチャンスを与えることで成しとげられると考えたんです。

4Gamer:
 その最初のタイトルに,なぜ「Berserk or DIE」が選んだのですか。

Luca氏:
 なにより高く評価しているのは,プレイヤーとゲームの一体感です。プレイヤーはキーボードを通じて世界に干渉し,ゲームはそれに最高の形で反応を返してくれる。ナラティブ(物語)に軸足を置くゲームが悪いとは言いませんが,私はより“ゲーム”であることを重視するので,そういった意味で「Berserk or DIE」は素晴らしい作品だったんです。
 そして,我々との関わりが決まると,柴田さんは毎週のようにゲームを更新して報告してくれました。初のパブリッシングタイトルとして,理想的なやり取りができたと考えています。今後も同じ方針で作品を探し出し,それを世に送り出すことに集中していくつもりです。

4Gamer:
 価格設定も驚かされました。パブリッシャが着いたタイトルとしては,税込399円は破格だと思います。どんな意図があるのでしょうか。

Luca氏:
 「Berserk or DIE」は深みのあるゲームですが,同時に遊びやすいタイトルでもあり,より多くの人に遊んでもらうのが一番大事だと思ったんです。開発者が十分なリターンを得るのも重要ですが,poncleは現段階では利益を優先していません。それに「Vampire Survivors」の成功要因の一つは“フェアプライス”だったと考えているので,それを踏襲する形を選びました。

4Gamer:
 開発中は具体的にどんなやり取りがありましたか。poncleからの提案や,調整をどのように行ったかが気になっています。

柴田氏:
 根本的なシステム部分は以前から変わっていないのですが,ゲームバランスや操作性の部分には,Lucaさんから意見をいただき,大きく改善できたと思っています。ソースコードに直接触れてもらうレベルのサポートもあり,非常に密なやり取りができました。

ブース内にはキーボードがオブジェのように配置され,それを自由に持ち帰っていいという趣向だった。なんとも豪勢だ
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Luca氏:
 私自身,ソロのデベロッパとして活動していましたので,それも生かした支援を行いました。もちろん,私の立場は“支援者”なので,私が直接制作に携わったわけではありません。ゲームを成り立たせるアイデアは柴田さんのものですし,今回のブースにも柴田さんの手が入っています。あの大きな顔出し看板に至っては,柴田さんが手描きで作られたものですし。

4Gamer:
 日本とイタリアの小規模デベロッパがやり取りをするにあたっては,言語の壁があったと思いますが,そこはどうやって乗り越えたのでしょうか。

柴田氏:
 今(このインタビューの)通訳をしてくれている,poncleのMatteo Sapioさんがあいだに入ってくれました。オンラインでも同じように対応してくれていて,問題なく意思疎通ができました。

Matteo Sapio氏(以下,Matteo氏):
 なかなか責任重大な仕事でした(笑)。ただ,二人は母国語こそ違いますが,プログラム言語という共通言語がありましたので,それを通じて重要なコミュニケーションを行っていけた部分はあるんじゃないかと思います。

Luca氏:
 完璧なコミュニケーションを取れたとは言い切れませんが,私達が同じビジョンを持っているのは間違いありません。その点さえすれ違っていなければ,言語の壁は乗り越えていけると考えていますし,実際に実現できたと思っています。

4Gamer:
 6月に正式リリースを迎えた「Berserk or DIE」ですが,今後のアップデートなどは考えていますか。

柴田氏:
 すでに2回ほどバージョンアップしていますが,今後もアップデートは行っていく予定です。ステージやキャラクターの追加も考えているので,ご期待いただければと思います。

Luca氏:
 ローンチ後のサポートも,もちろん引き続き行っていきます。販売サポートだけでなく,コンソールへの移植なども含め,より多くの人が本作を楽しめる環境を作るべく尽力するつもりです。

4Gamer:
 現時点でのプレイヤーからの反響はいかがですか。

柴田氏:
 やっぱりキーボード操作のインパクトに注目する声が多いですね。グラフィックスの綺麗さに触れてくださる人もいて,とてもありがたく感じています。

Luca氏:
 オリジナリティの高さは,海外でも高く評価されています。我々もいろいろなイベントに足を運びましたが,既存ジャンルをアレンジしたものが多いなか,これほど独自性が強いものはありませんでした。ビジュアル面のインパクトも強く,クリエイターのカラーが色濃く出ているので,そこも注目されている部分だと思います。

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4Gamer:
 キーボードを叩くことがコンセプトのタイトルを,コンソールに移植するにあたり,悩んだりはしなかったのでしょうか。

柴田氏:
 そこはキーボードの感覚を残した操作システムと,コントローラに最適化したシステムを用意して,プレイヤーが選択可能にすることで対応しました。

Luca氏:
 移植にあたっての調整は,確かに難しい問題でした。コンセプティブな作品をシンプルな操作に落とし込むべきかは悩ましくはありましたが,それによって喜んでもらえる部分があるのも確かです。ただシンプルな操作があっても,キーボードで遊ぶのと同じ体験を味わえるオプションがあれば,作品の良さは揺るがないだろうと考えたんです。

柴田氏:
 これは結果的なものですが,おかげでゲームの深みにアクセスしやすくなった部分もあると思います。インパクトのある操作システムだけでなく,そこに目を向けやすくなったのは,ポジティブな要素なんじゃないかと。

4Gamer:
 最後に「Berserk or DIE」やponcleに注目している人へのコメントをお願いします。

柴田氏:
 キーボードで遊べる体感ゲームのような,皆さんが遊んだことのないゲームになっています。興味を持った人は,ぜひ遊んでみてください!

Luca氏:
 poncleは,今後も本作のようなインディーらしい“ちょっと変わった体験”を提供していく予定です。その1本目として本作はふさわしいタイトルですので,買って遊んで,楽しんでもらえたら嬉しいですね。

4Gamer:
 ありがとうございました。

中央の顔がNAO GANESの柴田 直氏。右端の顔は,通訳を担当してくれたponcleのMatteo Sapio氏。Luca Galante氏は顔出しNGとのことで,左側から出ている2本の手を担当(?)している
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