「NINJA GAIDEN 4」試遊&インタビューで分かった，2つのアクション制作チームが13年ぶりのナンバリング新作に懸けた思い

　2025年6月9日に配信されたMicrosoftのデジタルショーケース「Xbox Games Showcase 2025」で，10月21日の発売が発表された「NINJA GAIDEN 4」（PC / PS5 / Xbox Series X|S）。コーエーテクモゲームスのTeam NINJAとプラチナゲームズの共同開発による，「NINJA GAIDEN」シリーズ13年ぶりのナンバリング新作だ。

「NINJA GAIDEN 4」公式サイト

　この発表の当日，アメリカ・ロサンゼルスで開催されていたSummer Game Festに合わせた現地イベントにて，本作の試遊およびTeam NINJAの平山正和氏，プラチナゲームズの中尾裕治氏へのインタビューが行われた。そこで分かった「NINJA GAIDEN」の特徴や，作品に込められた考えをお伝えしよう。

左からTeam NINJAの平山正和氏，プラチナゲームズの中尾裕治氏

　「NINJA GAIDEN 4」は，Team NINJAによる「NINJA GAIDEN」の伝統的な手触りと，プラチナゲームズらしいダイナミックなアクション性が融合したタイトルだ。たとえば，相手の攻撃にタイミングよくボタンを押して発動する「弾き」や「パリィ」のような要素も，それ単体で終わるのではなく，そこから追撃へとつなげる“NINJA GAIDENらしさ”を重視している。

　NINJA GAIDENシリーズの基本的なアクションをしっかりと保ちながら，プラチナゲームズらしさを取り入れる。この点はかなりの話し合いが行われたそうだが，中尾裕治氏はコアなNINJA GAIDENシリーズファン。平山氏が「うるさすぎると思われるかもしれない」というくらい議論を重ねられたのは，中尾氏に大きな信頼があったからだ。


　「NINJA GAIDEN」といえば，血の表現。本作でもその系譜を受け継ぎつつ，より洗練された形で再構築されている。
　「無惨さ」や「静かな殺意」を表現する意味でも壮絶な描写となっているが，グロテスクになりすぎないようにしつつ，爽快感のあるアクションを目指して調整したという。とくに敵を斬った瞬間の鮮血，飛び散る血液の“液体感”には強くこだわり，開発の終盤までチューニングが続けられたとのこと。

　「NINJA GAIDEN」らしさの一つである，強敵や多数の敵を相手にした超忍のハイスピードかつ“超アグレッシブ”なアクション。これもしっかりと受け継がれている。
　本作は新しい主人公・ヤクモが登場する。新しいキャラクターが登場しようとも“NINJA GAIDENらしさ”は重要であり，現代的な操作レスポンスを実現しつつ，初めて触った瞬間に「これはNINJA GAIDENだ」と感じられることを意識して制作したとのこと。システムや手触りにもそれが表れており，シリーズファンの信頼に応える作りになっている。


　物語やキャラクターの関係性は，シリーズ作品を未プレイでも楽しめるようになっている。プレイ中の会話や演出を通じて，新主人公・ヤクモとシリーズの重要人物であり，もう一人の主人公であるリュウ・ハヤブサの関係が自然に伝わるように工夫されている。
　新規プレイヤーもリュウという存在が理解できるように，そのバックグラウンドであるこれまでの作品で描かれた物語の一部にも触れられるそうだ。


　戦闘ではシリーズの象徴でもある「飯綱落とし」や「飛燕」に加え，武器を変形させて強敵や多数の敵を相手に強力な攻撃を繰り出す，ヤクモの固有技「血楔忍術」が登場する。ツイストソード，棍，そしてハンマーといった武器種があり，ツイストソードは単体の敵への連撃に長け，ハンマーは多くの敵を巻き込むダイナミックな一撃を放つなど，プラチナゲームズらしいアクションになっている。

　NINJA GAIDENシリーズらしい高難度も健在だが，開発陣は「理不尽に思わせないスレスレのライン」を狙って調整したという。AIの行動パターンやバトルバランスに細かく配慮し，「難しいけれど納得感のある挑戦」として成立するように作られている。


　2025年はTeam NINJAの創立30周年，節目の年だ。今年1月に発売した「NINJA GAIDEN 2 Black」と「NINJA GAIDEN 4」によって，「NINJA GAIDEN」シリーズを盛り上げる年にしたいと考えているそうだ。シリーズファンの期待に応えながら，新たなプレイヤーにも届けるべく，鋭利に最新作を仕上げていることが感じられた試遊とインタビューだった。

「NINJA GAIDEN 4」公式サイト

4Gamer「Summer Game Fest 2025」記事一覧