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中国の若手開発者によるスパイアドベンチャー「Espionage」を紹介。第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台に,男女スパイの物語を描く[BIC2025]
本作は,中国のNTPUNK_STUDIOが開発中の2Dアドベンチャーゲームだ。第二次世界大戦中のヨーロッパを舞台に,男女スパイの物語を描き,2026年Q1(1月〜3月)にグローバルリリースを予定している。
翻訳に使用されたAIのバージョンが古く,現段階では読みにくい箇所があったが,正式リリースまでに最新のAIで翻訳し直す計画だという。
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プレイヤーは,イギリスの男性スパイか,ソ連の女性スパイを選択し,それぞれの視点から異なるストーリーを体験する。物語が進むにつれて,彼らの関係は密になり,愛し合ったり,敵対したりするかもしれないという。
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メインコンテンツはストーリーだが,その進行にあわせて,ステルスアクションやパズルなど,さまざまなギミックを楽しめる。
Steamで日本語にも対応したデモ版が配信されているので,気になった人はチェックしてみてほしい。
「Espionage」Steamストアページ
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会場では,NTPUNK_STUDIOのYeYi氏にインタビューする機会を得たので,その模様もお伝えしよう。
4Gamer:
よろしくお願いします。まずは,開発チームについて教えてください。
YeYi氏:
私たちは中国の武漢から来ました。全員大学を卒業したばかりで,男性3人,女性2人のチームです。ゲーム開発以外の仕事はしておらず,開発に専念しています。
4Gamer:
大学ではゲーム開発を学んでいたのですか?
YeYi氏:
いいえ,私は中国語と映画制作を専攻していました。卒業してから,ゲーム好きが集まってゲームを作ることになり,いちから学んで開発しています。
4Gamer:
開発費はどうしていますか。
YeYi氏:
外部資金を受けると自由に作れなくなるので,自分たちのリソースのみで制作しています。おそらくリリース後は,ほかの仕事をしてお金を稼いでから,次のゲームを作ることになると思います。
4Gamer:
現在の進捗はどのくらいですか。
YeYi氏:
主要部分の開発は終わったので,これから洗練させていく段階です。中国ではすでに多くのファンがいますが,海外からのフィードバックを必要としています。
4Gamer:
中国のファンからは,どのようなフィードバックがありましたか。
YeYi氏:
北京や上海のイベントに出展し,「面白いね」と言ってもらいました。しかし,中国では面白くなくても褒めるのがソーシャルマナーなので,あまり信用はしていません(笑)。
4Gamer:
海外のイベントに出展するのは,今回が初めてですか?
YeYi氏:
はい,そうです。
4Gamer:
BICに来てみて,どのような印象を受けましたか。
YeYi氏:
中国のイベントと比べて参加人数は少ないですが,プレイヤーやほかの開発者とつながりやすいのが,とてもいいと思います。
4Gamer:
BICでは,プレイヤーからフィードバックがありましたか。
YeYi氏:
プレイしたあと,何も言わずに帰ってしまう人が多く,最初は困惑しました。しかし,彼らのプレイを観察して,私たちのゲームは操作をもっと分かりやすくしなければならないと認識しました。
4Gamer:
少しセンシティブなことを聞きますが,西側諸国の作品ではソ連のスパイは悪役として描かれることが多いです。一方で,中国は政治的な立ち位置が異なりますが,スパイ作品において違いを感じることはありますか。
YeYi氏:
舞台をヨーロッパにしたのは,政治的な問題を避ける狙いがあります。とくに,中国をゲーム内に登場させると,より複雑な問題になってしまいますから。
私は「SPY×FAMILY」が大好きなんですが,あの作品のように歴史的な要素を元ネタとしつつも,フィクションを織り交ぜて描いています。
4Gamer:
「SPY×FAMILY」以外に影響を受けた作品はありますか。
YeYi氏:
「DEATH STRANDING」や「ディスコ エリジウム」など,すべてを挙げるのは難しいくらい,たくさんのゲームから影響を受けています。
4Gamer:
開発で苦労した点はなんでしょうか。
YeYi氏:
大学を卒業したばかりだったので,経験不足が一番大変でした。間違ったサイクルで制作を進めて,作り直すことがありました。
4Gamer:
最後に,日本の読者にメッセージをお願いします。
YeYi氏:
私たちのゲームをプレイしていただけたら,とても光栄です。
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