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勇者を妨害……ではなく成長させよう。開発中の「Welcome to the Dungeon」は,勇者見守り系ダンジョン運営ゲームだった[BIC2025]
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本作は,魔王城のダンジョン設計者となったプレイヤーが,ダンジョン内にモンスターやオブジェクトを配置していくダンジョン運営ストラテジーだ。
ドット絵で表現される2Dダンジョンに,懐かしいレトロなBGM。「なるほど,やってくる勇者を撃退していくゲームのリスペクトだな?」と,ほとんどの人は思うだろうが,実はその逆。ダンジョンにやってくる勇者が計画どおりに成長していくかを見守りながら,最終目的地まで導くのを目的としている。
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筆者としても,古くは「ダンジョンキーパー」,そして「勇者のくせになまいきだ」などの影響を受けたタイトルかと思っていたが,本作を1人で制作しているBaek Jihyeon氏によると,とくに直接的な影響を受けたものではないという。元々作っていたパズルゲームに,勇者やダンジョンといった要素を追加した結果,今の形になったのだそうだ。
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ゲームを開始すると,まずステージ上に勇者のスタート地点とゴールとなる扉が表示され,そして勇者が移動するだろう想定ルートが示される。その経路上に,手持ちのオブジェクトを配置すればゲームスタート。勇者が進行を開始する。
オブジェクトには最大HPを上昇させる女神の像,回復ポーション,ダメージ床(スパイク),モンスター,宝箱などさまざまなものがあり,なかには複数のオブジェクトがセットになったものも存在している。「これをここに置くと,こっちが置けない」なんてこともママあるもので,つまりはスペースの限られるダンジョンに,いかにオブジェクトをうまく配置するかが問われる,まさにパズル的な思考が要求される間取りなのだ。
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ところで,勇者を見守るといいつつ,なぜ床に罠なんて配置するのだろうか。モンスターは倒せば経験値が得られるのでまだ分かりやすいが……と思っていたら,床でダメージを受けることでも経験値は得られる。なるほど,勇者に試練を与えることが重要なのだ。
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安全に誘導したいなら,モンスターと遭遇させなければいいのだが,それでは成長が遅れてしまう。勇者の成長は次の部屋に引き継がれ,奥に進むほど戦闘は厳しくなるので,成長が足りていないと,当然苦しくなってしまう。いずれたどり着くだろう,魔王にだって勝てるはずもない……だろう。
ただ闇雲にオブジェクトを配置し,イベントを発生させればいいわけでもない。イベントの順番を考えないと,例えばポーションを飲む前に,戦闘で力尽きることだってあるのだから。
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また配置すべきモンスターが,その時点では強すぎて勇者が勝てないこともあった。何か方法があるかもしれないが……そういうときは,あえて勇者が行かない場所に置いて,戦闘を回避させるのが正解なのかもしれない。
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なお勇者が倒れると,その部屋の入口で蘇生されることになる。これはハートの残り回数だけ可能で,つまりは残機である。このとき経験値や最大HPの一部は死体に残ってしまうので,次はその回収も想定してオブジェクトを配置しなければならない。ただし,この死体にも配置の判定があるので,微妙に邪魔になるのがパズルとして面白い。
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こうして無事扉まで到達できれば,その部屋における配置が評価され,報酬としてGoldが獲得できる。
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Baek氏によると,来年にはデモ版の配信に漕ぎつけたいそうで,その後はリリースに向けて開発の規模を拡大したいとのことだった。なお今回のデモ版では,勇者を出口に導くのみだったが,将来的には門番やボスキャラの導入も計画しているという。ただ品質重視の開発方針とのことで,正式リリースを急ぐつもりはないとも話していた。おそらく動きがあるのは来年になるだろうが,続報に期待したいところだ。
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