連載
コインも時間も飛ぶローグライクなコイン落とし「RACCOIN」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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押し出し板がゆっくりと前へ迫り,積み上がったコインの山がぐらりと傾く。
あと1枚――その誘惑に抗えるものは,この店にはいない。
今回はDoraccoonが手掛ける,コインプッシャー(コイン落とし)を題材にしたデッキ構築型ローグライク「RACCOIN: Coin Pusher Roguelike」を紹介しよう。
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プレイヤーが画面の左右からコインを転がし入れると,トレイの上で押し出し板が前後に動き,コインを手前の縁へ少しずつ追いやっていく。
縁から落ちたコインがスコアになり,ラウンドごとに設定された目標スコアへの到達を目指すのが基本の流れだ。
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このゲームの特徴は,単なるコイン落としにとどまらない“コインごとの個性”にある。ゲームには130種以上の特殊コインが登場し,それぞれが固有の効果を持っている。
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種コインと水コインを組み合わせれば花が咲き,猫コインを落とせばネズミコインを追いかけ回してチケットを稼いでくれる。
爆発コインなら盤面のコインをまとめて吹き飛ばし,接着コインは触れた相手にくっついてその価値を膨らませるといった具合だ。
ラウンドごとにチケットでショップからコインやアイテムを買い足し,自分だけの“台”を仕上げていくのが基本の流れになる。
コンボとルーレットが生む連鎖の快感
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本作には,コインが落ちるたびに上昇するコンボメーターが備わっている。連続してコインを落下口へ送り込めばスコア倍率が上がり,間が空くとメーターはゼロに戻る。
つまりは,コインの投入タイミングと押し出し板のリズムをどう噛み合わせるか──そこに独特の駆け引きが生まれるのだ。
さらにコンボが一定値に達するとルーレットが回る。結果はランダムで,コインの雨が降り注ぐこともあれば,台の上にコインタワーがそびえ立つこともある。
タワーの高さはコンボ倍率に応じて変わり,倍率が十分に育っていると画面を突き抜けるほどの巨大な柱が出現することも。
それが押し出し板に押されて倒壊すれば,大量のコインが一気に落下口へなだれ込み,さらにコンボが回り,またルーレットへ。この連鎖が噛み合った瞬間は,思わず声が出るほど気持ちいい。
キャラクターごとの戦略性
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本作には6人のプレイヤーキャラクターが用意されている。それぞれ固有のコインセットと特性を持ち,台の上の景色がまるで別のゲームのように変わるのだ。
たとえば経理のアライグマは数値倍率に関するコインを得意とし,掛け算でスコアを伸ばしていく。
一方,ウサギの生物学者は動物や植物のコインを中心に扱い,台の上で生き物たちが走り回る賑やかな展開になるのが持ち味だ。
このようにキャラクターを切り替えるだけで遊び心地が一変するため,周回のたびに新鮮な発見があるだろう。
物理演算が連れてくる想定外の展開
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コインプッシャーである以上,物理演算の挙動がゲーム体験の土台を担っている。
コインが平らに着地すれば安定した基盤になるが,縁で立ってしまえば周囲の山が予想外の方向へ崩れるかもしれない。押し出し板の往復運動とコインの重なり具合によって,同じ位置に投入しても結果は毎回異なる。
この不確定さが,デッキ構築の計算とぶつかり合って独特の緊張感を生んでいるのだ。
完璧なシナジーを組んでも物理に裏切られることがあれば,何気ない1枚が雪崩を起こして大量得点に化けることもある。「戦略と運と物理」という三者の綱引きが,1ラウンドごとに違うドラマを生み出してくれる。
コインプッシャーとローグライクの掛け合わせはまだ珍しいジャンルだが,本作はその可能性をしっかり引き出している。
130種以上のコイン,120種超のアイテム,6人のキャラクター,8段階の難度,そしてエンドレスモードと,遊びがたっぷりと詰まっており,好きな人であれば何周でも遊んでしまうだろう。
カジュアルにコインのジャラジャラ感を楽しみたい人にも,ビルドを突き詰めてハイスコアを追いかけたい人にも,等しくおすすめできる一本だ。
- 関連タイトル:
RACCOIN: Coin Pusher Roguelike - この記事のURL:























