インタビュー
令和に甦るシリーズ最新作「RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers」インタビュー。その目指すところを開発者に聞いてきた
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1990年代にスーパーファミコンで展開された「ラッシング・ビート」シリーズをリブートし,現代に甦らせんとする本作は,シリーズ2作目の「ラッシング・ビート乱 複製都市」(以下,乱)と,3作目の「ラッシング・ビート修羅」(以下,修羅)の間のミッシングリンクを埋めるタイトルとして,今なお開発が進められている。
シリーズの特徴ともいえる豪快なベルトスクロールアクションのフォーマットはそのままに,3Dグラフィックスによるドラマチックな演出,またモダンなタイトルとしてのゲームシステムの更新などが盛り込まれた本作は,いったいどんなタイトルになるのか。
発売に先駆けプロデューサー吉川延宏氏(シティコネクション代表)と,開発ディレクターの渡辺 敬氏に,その狙いと目指すものを聞いた。
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令和に甦るベルトスクロールアクション「ラッシング・ビート」シリーズ
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,この令和に「ラッシング・ビート」シリーズを復活させた経緯を聞かせてもらえますか。
吉川延宏氏(以下,吉川氏):
大前提として,“ジャレコのIPを可能な限り現代に蘇らせる”という,弊社設立当初からの目的がありまして,「ラッシング・ビート」もいつか復活させることが決まっていたシリーズだったんです。あとは“いつやるか”だったんですが,この体制が整ったのがこのタイミング――制作発表をした3年前だったんですね。
4Gamer:
それは開発における人や予算が確保できた,というようなことですか。
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そうです。もう一つ,受け手であるお客さん側の盛り上がり,という理由もあります。実は近年,「ベアナックルIV」や「ミュータント・タートルズ」といったベルトスクロールアクションの人気が,北米を中心に高まっていまして。本作の海外パブリッシャであるClear River Gamesのプロデューサーからも,「ジャレコIPの中でも『ラッシング・ビート』は知名度も高いので,復活させるなら今ではないか」と提案をいただいたくらいです。
ただ開発にこれほど時間がかかるとは思っていなくて……本来ならもう1年ぐらい早く発売できる予定だったんですけど。
4Gamer:
北米でも当時から人気だったんですね。
吉川氏:
はい。ベルトスクロールアクション――当時そんな呼び名はなかったとは思いますが――の中では,「ダブルドラゴン」「ファイナルファイト」「ベアナックル」がとくに知名度が高くて,「ラッシング・ビート」はそれらに続く1本という立ち位置だったようです。
渡辺 敬氏(以下,渡辺氏):
海外では「Rival Turf」というタイトルでしたが,この海外人気は,同作が2人同時プレイを実装していたのが大きいようです。「ファイナルファイト」は1人プレイしかありませんでしたから。
4Gamer:
そうか,スーパーファミコン版の「ファイナルファイト」は,確かにシングルプレイのみでしたね。
吉川氏:
あとはスーパーファミコンでシリーズが3本出たことも,北米で人気を博した理由の一つかもしれません。移植ではなくオリジナルのIPで初代・「乱」・「修羅」と続いたので,シリーズとしての知名度もそれなりに高かったのではないかと。
4Gamer:
3本続いたのは,確かにすごいですね。
吉川氏:
ええ。今から見ると,とくに初代は荒削りな部分も多いタイトルでしたが,当時はおおらかな時代ということもあって,それがマイナスとはならなかった。2人でワイワイ楽しめるのが評価され,一定数の支持を得られたのではないかと思います。
4Gamer:
では,そんなシリーズを引き継ぐ「RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers」は,どんなコンセプトで開発されたのでしょうか。
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ベルトスクロールアクションではあれど,対戦格闘ゲームのように自由に動ける,アクションとしての気持ちよさを追求したいというのが根底にありました。
個人的に好きだったゲームに,NEOGEOの「戦国伝承2001」というのがありまして,敵を打ち上げてコンボを叩き込むのがすごく気持ちいいタイトルだったんですが,いかんせん操作が難しい。僕自身,あのアクションをうまく使いこなせませんでした。これを誰でも楽しめるよう,お手軽にできないか,というところから本作のコンセプトや仕様を考えていきました。
吉川氏:
私としては,他社のタイトルをいろいろやり込んだうえで,そこにない遊びや爽快感をピックアップし,それらを新作に落とし込むことにこだわって制作したつもりです。
シリーズ4作目として,その延長を目指すこともできましたが,今後もシリーズを続けていくのであれば,芯となる部分はしっかり作っておかないと埋もれてしまいかねない。そんな危機感があって,その点は妥協しないように開発を進めていきました。
4Gamer:
新しい遊びというと,具体的には?
渡辺氏:
やはり空中コンボでしょうか。とにかくいろいろな技につながるようにしているので,ここまで多彩なコンボが可能なベルトスクロールアクションはほかにないと自負しています。もちろんコマンド入力などはなしで,簡単な操作で行えるのがポイントです。
4Gamer:
ボタン連打でコンボになるみたいな。
渡辺氏:
はい。“格闘ゲームのようなコマンド技は絶対に入れない”ポリシーのもとに作っていたので,ボタンを順番に押すだけでコンボになります。また,コンボ中に手持ちの武器に切り替えて攻撃したりもできますね。武器は回数制限があるぶん,ガードの上から攻撃できるくらい強く設定してありまして,コンボをガードされたら武器に切り替えて追撃,なんてこともできてしまいます。
吉川氏:
やろうと思えばテクニカルなこともできる,という感じですね。攻撃はダッシュかジャンプでキャンセルできるので,レバー上攻撃が相手を空中に打ち上げて,キャンセルから追撃を入れる,といったような。浮かせた状態の敵は体力が0になっても消えないので,オーバーキル状態でずっと殴り続けられたりもします。
4Gamer:
オーバーキルを狙うことに,なにかメリットがあるんでしょうか。
吉川氏:
いえ,ただ気持ちいいだけです(笑)。いちおうスコアは獲得できますが,それで何か有利になるわけではありません。ただこの気持ちよさにハマったら,また一味違う楽しみ方ができると思いますよ。
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アクションの気持ちよさを追究し,イチから作り直した決定版
4Gamer:
先ほど,本来なら1年は早く完成する予定だったとおっしゃっていましたが,開発に時間がかかった理由はなんだったんでしょうか。
渡辺氏:
最初はグラフィックスを2Dにするか3Dにするかの検討で,半年くらい時間がかかってしまいました。元々僕が3D畑の出身ということもあって3Dになりましたが,制作コストやほかのタイトルとの差別化を考えると,結果として正解だったと思っています。
吉川氏:
2023年のTGSでお披露目したバージョンは,動きが硬く,爽快感も薄いものでした。グラフィックスは3Dだけど,操作感は2Dというのを目指していたんですが,そのさじ加減がうまくいってなかったんですね。なので,そこからすべてのモーションを差し替えることになりました。これも時間がかかってしまった理由の一つです。
4Gamer:
え,まるごと全部ですか?
渡辺氏:
はい。コストを考えると,イチから作り直したほうが早いと判断したんです。その甲斐もあって,お客さんからは出展のたびに「前より良くなってる」と言っていただけるようになりました。
吉川氏:
最初のティザーPVを見た,とくに海外ファンからは,かなり酷評をいただいてしまいました(苦笑)。こうなってしまった原因は,ベルトスクロールアクションの作法というか共通言語のようなものが,開発内部でうまく共有できていなかったことにありました。
4Gamer:
ベルトスクロールの作法というと……例えばキャンセルのタイミングや,ヒットストップの付け方といったあたりでしょうか。
吉川氏:
そうですそうです。先ほどお話したように,本作は自由度の高い格闘アクションを目指したタイトルですが,そうしたノウハウを共有しない状態で開発をスタートしてしまったために,モーションがどうにもちぐはぐな状態になってしまった。これを正すためにイチからやり直した結果,だいぶんお待たせすることになってしまいました。
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4Gamer:
なるほど。ではゲームバランス面はいかがでしょうか。ベルトスクロールアクションというとアーケード発のタイトルが多いからか,いわゆる“死んで覚える”といった高難度のタイトルが多い印象がありますが。
渡辺氏:
バランスは,発売直前まで調整するスタンスでいます。ビギナー向けのシステムも多く取り入れていて,例えばボタン押しっぱなしでもコンボが繰り出せますし,シリーズの特徴であった拾った回復アイテムを持ち歩けるシステムをさらに発展させ,ストックしていつでも使用できるようにしました。武器なども持ち歩いて好きなタイミングで使えるようになっているので,“間違えて拾ってしまった”といったことは起きにくくなっています。
吉川氏:
とはいえ,ちゃんと考えて戦ったほうがいい場面も用意してあります。最初の頃は,ただ連打するだけでどんどん進めてしまっていたんですが,それでは単調すぎるので,アクション全体のメリハリを見直しました。またプレイヤーの腕前に応じて,より工夫して戦えるような要素も加えています。
渡辺氏:
そうしたベースの調整に加えて,モードによっては「敵を投げだけで倒せ」といったミッションが出て,クリアすると称号やスコアが獲得できる場所もあります。ゲーム慣れしている人には,そういった遊びも用意していますので,自由に楽しんでいただければと思います。
4Gamer:
2人同時プレイができるとのことですが,互いの攻撃は当たるんでしょうか。
渡辺氏:
僕はPK(Player Kill)賛成派だったんですが,意外にネガティブな意見が多かったので,本作では入れないことにしました。
4Gamer:
“ヒットはするけどノーダメージ”ということもなく? 完全に判定がない感じですか。
渡辺氏:
はい。中途半端に攻撃が当たってしまうと,コンボの気持ちよさが阻害されてしまう恐れがありますので。PKはできませんが,コンボ中に割り込んで敵を横取りすることはできます。浮いた敵をかっさらったり,二人でお手玉みたいに空中コンボを決めたりは可能です。
吉川氏:
ツープラトン技みたいなものも考えていた時期もあったよね。
渡辺氏:
ありました。でもツープラトンって,息の合った相手とタイミングを合わせて繰り出すイメージが自分の中にあって。あまり簡単に出せるのは,ちょっと違うんじゃないかと思い,今回は実装を見送りました。もし次回作があれば,挑戦してみたいところではあります。
吉川氏:
PKはありませんが,今後のアップデートでPvP(Player vs. Player)モードを入れる計画はあるので,楽しみにしていてください。
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「乱」と「修羅」の狭間を描く物語と,個性的なキャラクターたち
4Gamer:
開発コンセプトは概ね伝わったので,ここからは物語やキャラクターなど,本作のバックグラウンドの側面について聞かせてください。本作では「乱」と「修羅」の間をつなぐ物語が展開されるそうですが,この時期を舞台に選んだのはなぜでしょうか。
吉川氏:
これは最初期から開発を助けてくれた,海外パブリッシャのClear River Gamesさんのアドバイスによるところが大きいですね。「乱」の海外版のタイトルを「Brawl Brothers」というんですが,北米ではこれが最も売れたタイトルだったんです。
なのでClear River Games的には,この文言をぜひタイトルに入れたい。一方で,我々として「ラッシング・ビート」というタイトルに思い入れがあって,この折衷案として生まれてきたのが「RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers」という本作のタイトルです。
4Gamer:
ああ,なるほど。
吉川氏:
そしてこのタイトルにするのであれば,「乱」の設定を生かしつつ,物語を展開させる余地のある3作目「修羅」につながるミッシングリンクの時期を舞台として選んだというわけです。皆さんの記憶に残る設定を押さえつつ,ゲームとしてはまったく新しい展開が待っている,まさにいいとこ取りの設定ですね。
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渡辺氏:
キャラクターも続投させられますし,マルチエンディングだった「修羅」に続く物語であれば,きっと面白いものになるという期待がありました。当時のジャレコのメンバーに相談したときも,「面白いじゃん」と言ってもらえましたし。
4Gamer:
オリジナル版の開発メンバーも,本作に関わられているのですか。
吉川氏:
当時開発に関わった幾人かの方には,監修という形で関わっていただいています。
4Gamer:
何か印象に残るアドバイスなどはありましたか?
渡辺氏:
ファンの皆さんと同じく,最初のバージョンには皆さんダメを出されていましたね(苦笑)。「これは出しちゃダメだ」といった感じでした。それからも何度か見ていただいて,モーションを全取っ替えしたあたりから「面白いね」と言ってもらえるようになり,ようやくポジティブなアドバイスをいただけるようになりました。
4Gamer:
お墨付きが出たわけですね。では,そのキャラクターについて聞かせてください。メインビジュアルのイラストはアメコミ風でインパクトがありますが,キャラクターデザインはどなたが担当されたんでしょうか。
吉川氏:
斉藤和衛さんです。「NAMCO x CAPCOM」や「無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ」などのキャラデザを担当された方で,シャープで力強いテイストのイラストが,海外展開を視野に入れた本作のコンセプトに合うと考え,オファーさせてもらいました。
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4Gamer:
具体的には,どんなオーダーをされたんでしょうか。
吉川氏:
6人のうち5人は「乱」からのキャラクターなので,“当時のイメージは崩さず,しかし今風のデザインに”というざっくりとしたオーダーでしたね。華斬の髪型や服装,ロードの装飾品などに細かいアレンジはありますが,印象はあまり変わらないようにしています。
4Gamer:
なるほど。新キャラクターは,この「カルア」のみなんですね。中央に描かれているということは,彼女が今作の主人公でしょうか。
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渡辺氏:
ええ。カルアについては見た目の雰囲気や性格,シナリオ上の設定などを伝えて,自由にデザインしていただきました。
吉川氏:
「乱」ではウェンディが唯一の女性キャラでしたので,もう1人ぐらい女性がいてもいいだろうということで,カルアが主人公になったんですよ。
4Gamer:
性能的には,どんなキャラクターなんですか?
渡辺氏:
主人公ということで,初心者でも扱いやすい素早い打撃キャラというのがコンセプトです。当て身技なんかも持っているので,幅広い層に受け入れられるキャラクターだと思います。
4Gamer:
えっ,ベルトスクロールアクションで当て身技ですか。それはなかなか尖ってません? というかもう格闘ゲームみたいですね。
![]() ほかの5名についても簡単にコンセプトを解説してもらった。ウェンディは,ルチャリブレを使う女性レスラー。特殊な投げ技を持っていて,空中でもテクニカルに動けるキャラクターを目指したという |
![]() 前作主人公のリックは,総合格闘術を使うスタンダードな性能のキャラクターだ。どんな場面でも立ち回れるバランス型なので,ゲームに慣れるまでは彼を使うのがオススメとのこと |
![]() 忍者である華斬は,打撃に特化したスピードタイプ。ガードする敵の後ろに回り込んで連続攻撃を叩き込んだり,連続ジャンプができたりといった,忍者らしい立ち回りが可能となっている。開発の“忍者愛”が詰まったキャラクターだ |
4Gamer:
「ラッシング・ビート」シリーズというと,ダグラスを筆頭に投げ技のインパクトが大きい印象ですが,そこは意識されましたか。
吉川氏:
オリジナル版のジャレコのディレクターさんが,かなりのプロレスマニアだったんですよ。「ラッシング・ビート」シリーズ以外にも,「天龍源一郎のプロレスレヴォリューション」なんかを担当されていた方で,そのコダワリが出たんだと思います。であれば,シリーズのしきたりとして投げ技はたくさん入れたいとは考えていました。
渡辺氏:
そもそも,メインキャラクターにレスラーが2人いるのが珍しいですよね(笑)。ダグラスが地上でさまざまな投げ技を使う一方,ウェンディは空中殺法を得意とするスタイルみたいな。ゲーム的には,ガードや反撃をしてくる敵には投げ技が有効というように,使いどころを設けています。
4Gamer:
ストーリーモードでは,キャラクターが順に合流してくるドラマチックな作りになっていて,キャラクターが選べるようになるのはそれからという仕組みですが,これはコンソールならではという気がしますね。
吉川氏:
そうですね。アーケードライクに遊びたい人には,フリープレイモードを用意してあるので,こちらをプレイしてもらうといいと思います。最初から全キャラクターが選べますし,演出なんかも最低限な一方で,ちょっとしたエリア分岐なんかも設けてあるので,じっくり遊べる内容になっています。
4Gamer:
「ラッシング・ビート」は他作品のからのパロディやオマージュが楽しいシリーズでもありましたが,本作にそういったものはあるのでしょうか。
渡辺氏:
セルフパロディ的なものは,怒られない程度に仕込んであります。例えば投げ技を決めたときに画面の奥側に投げるのは,アーケードの「64番街」からのシステムですし,キャラクターの技には「DEAD DANCE」から引用したものある。あとは背景の看板なんかに,ジャレコネタは隠されてたりもしますよ。
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吉川氏:
昔からのプレイヤーさんは,細かいところまで見ていただくとより楽しめると思います。
4Gamer:
ちなみに本作のサウンドは,どなたが担当されたのでしょう。
吉川氏:
弊社のコンポーザーのWASi303が手がけたものです。以前はサクセスで「サイヴァリア」などのサウンドを担当していまして,今作ではグランジ的なものをイメージしつつ,パンクとかメロコアみたいなキャッチーよりも,ちょっと古さを残したテイストの楽曲に仕上げてもらいました。
渡辺氏:
今回の収録曲は,全部新曲なんですよね。僕自身,音楽にはあまり詳しくないですが,最初に露出したステージ3の楽曲など,個人的に好きな曲がたくさんあって,全体的にも完成度が高い印象です。
吉川氏:
WASiさんの曲というと,シューティングゲームのテクノ風の楽曲をイメージされる方が多いと思いますが,それでいくと本作の楽曲は,かなり意外性があると思います。それでいてWASiさんならでは手癖みたいなものも感じられるので,音楽面も注目してもらえたら嬉しいですね。
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2026年3月の発売に向けて。発売後のアップデート計画も
4Gamer:
発売は2026年3月とのことでまだ少し先ですが,Steamでは期間限定版の体験版も配信されました。また東京ゲームショウなどで,お披露目の機会があったと思いますが,ファンの皆さんの反応はいかがでしたか。
渡辺氏:
東京ゲームショウでは,シリーズ初体験の方と過去作をご存じの方が半々ぐらいでしたが,概ね好評をいただきました。印象的だったのは,海外のお客さんほど過去作を知っていたことです。英語圏の,とくに北米にはベルトスクロールアクションのコミュニティがあるらしくて,日本以上にコアファンが多いようです。
吉川氏:
ゲームショウの印象的なエピソードとしては,親子で試遊していた海外のお客さんがいて,そのお子さんが父親に送ったメッセージを見せてくれたんですよ。「こういうゲームが出るんだ」って写真付きのメッセージに,お父さんがすごく喜んだコメントを返していて,すごくほっこりしました(笑)。
4Gamer:
確かに「ラッシング・ビート」シリーズの知名度は,日本ではそこまでではないように感じます。となると,市場としては海外の方が大きいのかもしれないですね。
吉川氏:
そこは海外パブリッシャのClear River Gamesさんが,しっかりプロモーションを担当してくれるので,我々としては安心してお任せしています。
あと,これは海外向けの施策……というわけでもないのですが,Switch 2のパッケージ版はいわゆるキーカードではなく,しっかりデータの入ったゲームカードを封入したものになっています。シティコネクションとしては,これからもゲームカードにこだわった製品開発を続けていくつもりなので,物理カード派の人もご安心ください。
4Gamer:
キーカード方式にするかゲームカード方式にするかは,メーカーさんが選べるのですよね。今リリースされているSwitch 2用タイトルはキーカード方式が多いようですが。
渡辺氏:
シンプルにコストがかかるんですよね。キーカードのほうが圧倒的に安価なので,販売価格も抑えられるメリットがあります。ですが,今あえてパッケージ版を購入しようというお客さんが求めているのは,そういうことじゃないと思うんですよ。例えダウンロード版と価格差があっても,データが入ったゲームカードを望まれるのではないかと思い,今回そうした選択をしました。
吉川氏:
それと,ほかのメーカーさんとの差別化する狙いもありますけど。パッケージ版に求められているのは,やっぱり保存性も考慮したプレミアム感だと思うので,スチールブックやサントラを同梱した数量限定版も用意しています。ぜひ手に取ってもらえたら嬉しいですね。
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4Gamer:
海外版も同じくゲームカードでのリリースになるんですよね。Switch 2版以外はどうなるのでしょうか。
吉川氏:
はい。むしろ海外のほうが,ゲームカードへのこだわりが大きいみたいです。パッケージ版はSwitch 2だけでなく,PS5向けにもリリースする予定です。もちろんダウンロード版もありますので,お好きなバージョンを選択してもらえたらと思います。
4Gamer:
少し気の早い話かもしれませんが,今後のアップデート予定でお話しいただけることはありますか。先ほどPvPモードの追加を検討しているという話がありましたが。
吉川氏:
具体的なことはまだ言えませんが,発売からあまり間を開けず,コンスタントにアップデートをしていきたいと考えています。
渡辺氏:
有料か無料かは別にして,キャラクターやステージの追加はやりたい……とは思っています。フリープレイモード限定になってしまいそうですが,PvPを含め,そういったアイデアはいくつか考えてあります。できれば,他社さんのタイトルからゲストキャラクターを呼べたら楽しそうだなあ,とか。
4Gamer:
ゲストといえば,「ドムドムハンバーガー」とのコラボレーションが発表されていますね。これは,どういった内容になるのでしょうか。
吉川氏:
本作には,集めた素材を使って料理を作り,それを回復アイテムとしてステージに持ち込めるシステムがあるんですが,そうした回復アイテムの一つとして,ドムドムハンバーガーが登場するんです。
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4Gamer:
ああ,なるほど。しかしドムドムとは,何かきっかけがあったのでしょうか。
吉川氏:
これは弊社のプロモーション担当者の発案でして。どうも,自分の家の近所にドムドムの店舗ができて,それで思いついたらしいです。国内のハンバーガーチェーンとしては老舗のドムドムさんと,ジャレコのIPを甦らせたレトロスタイルの本作とは,相性的にもぴったりなので,彼に任せることにしました。
渡辺氏:
作中にハンバーガーが出ることは伝えていました。それで新店舗のオープン初日に足を運んで,セットを食べたり,お店の雰囲気を感じたりしているうちに,「ドムドムさんにぜひお声がけしてみたい」と思ったそうです。その後,実際に連絡を取って,何度も話し合いを重ねる中で,今回のコラボが実現したわけです。
4Gamer:
ゲーム中にも「どむぞうくん」が跳ねる可愛い店舗が登場していました。それを本当に実現されるとは……すごいバイタリティですね。では最後に,本作の発売を心待ちにしているファンに向けて,メッセージをいただけますでしょうか。
渡辺氏:
最初の発表からずいぶんお待たせしてしまいましたが,その分しっかりと作り込み,多くの人に楽しんでいただけるタイトルに仕上げました。自信を持ってオススメできるタイトルになっていますので,発売を楽しみに待っていてください。
吉川氏:
シティコネクションでは,これまで移植やリメイクタイトルを手がけることが多かったですが,近頃は新規タイトルを手がける機会も増えてきました。本作は,その中でもかなり初期から企画していたタイトルで,渡辺と共に強いこだわりをもって制作したものになります。発売はまだ少し先ですが,クオリティは保証しますので,その後の展開も含めてご期待いただければと思います。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
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- Nintendo Switch 2:RUSHING BEAT X: Return Of Brawl Brothers
- Nintendo Switch 2
- アクション
- CERO B:12歳以上対象
- シティコネクション
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- インタビュー
- ライター:稲元徹也
(C)CITY CONNECTION CO., LTD. (C)Clear River Games.
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