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オンラインゲームユーザーの実態とは? 生成AI,インディーゲーム,スマホ新法などに対するユーザーの意識を解説するJOGAセミナーレポート
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印刷2025/08/09 11:30

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オンラインゲームユーザーの実態とは? 生成AI,インディーゲーム,スマホ新法などに対するユーザーの意識を解説するJOGAセミナーレポート

 一般社団法人 日本オンラインゲーム協会(JOGA)は毎年,日本国内の会員企業やオンラインゲームユーザーにアンケートを行い,市場調査レポートを公表している。
 2025年7月28日,JOGAは会員向けに「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート2025」の第2章を掘り下げるオンラインセミナーを開催した。レポートの編集制作を担当したGAソリューションズの落水完和氏から,国内ゲームユーザーの概況やスマホ新法,ゲーム開発におけるAIの活用など,調査内容について解説が行われた。

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JOGA 公式サイト



ゲームユーザーの規模感と

デバイスやプラットフォーム別の特性


 まずは国内ゲームユーザーの分布状況と推移が伝えられた。直近5年間のゲームユーザー全体は約4000万人規模で,やや減少傾向だという。ただ減少幅は統計上の揺らぎの範囲内で,おおむね横ばいと見ていいとのこと。
 重複状況を見ると,スマートデバイスのみでゲームを遊ぶ人が約1400万人,スマートデバイスとコンソールの両方で遊ぶ人が約1300万人で,ボリュームの大きい集団となっている。

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 デバイス別のゲームユーザーの性年代構成で特筆すべきは,PCゲームユーザーは男性が3分の2を占め,また20歳以上の年代が多いことだ。また,コンソールゲームユーザーは若年層が多い。

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 次に機種ごとの性年代構成を見ると,SwitchとSwitch2の若年層の比率が顕著に高い。PS5とXboxは男性が7割を占め,20歳以上が中心となる。ゲーム用PCは20代男性中心の構成で,ビジネス用などの一般的なPCでゲームを遊ぶのはやや上の年代が多い。

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 ダウンロードストアの利用率は,PS Storeとニンテンドーeショップが高い。Microsoft Storeは分母にPCゲームユーザーを含むため,Xboxコンソールに限ればPS Storeと同等以上の利用率になるという。もちろんハードの普及数の違いがあるので,人数規模ではニンテンドーeショップがとくに多い。
 Steamの利用率は,PCゲームユーザーの3割強。数百万人規模と推定される。

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 最後は,ストア別のゲームユーザーの性年代構成。これは機種ごとの構成とほぼ同じだ。PCゲームはSteamが比較的幅広い年代で使われており,Microsoft StoreとEpic Games Storeはゲーム用PCで遊ぶ層と同様,20代男性が中心となっている。

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eスポーツの認知状況・興味度


 eスポーツの認知状況では,「詳しい内容も含めてよく知っている」が増加傾向にあるものの,まだ半数程度は「名前を聞いたことがある程度」「知らない」に留まっており,2022年からあまり変わっていない。
 興味度も「あまり興味がない」「全く興味がない」が6割近くを占めている。ゆるやかな伸びはあるものの,大きな広がりは生まれていない状況だ。

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NFT・ブロックチェーンの認知状況・興味度


 NFT(非代替性トークン)は2022年から2023年にかけて認知度が上がり,その後に利用率,理解度は緩やかに増加したが,過半数は「全く知らない」ままの状況。「名前は聞いたことはあるが,内容はまったくわからない」を含めると8割近い。
 NFTを支える技術・ブロックチェーンに関しても,ほぼ同じ結果となっている。

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AIの認知度や利用に対する意識


 AIは2024年から2025年に認知が進み,また利用率も倍増している。これからも大きな伸びが予想されるそうだ。

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 性年代構成を見ると認知や利用に顕著な偏りはないが,利用経験があるのは20代がピーク。年代が上がるほど緩やかに減少していく。「名前だけ知っている」「全く知らない」のは10代が多めだ。

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 ゲーム開発におけるAI活用の領域の意識は,JOGA会員とユーザーのあいだでギャップがある結果となった。JOGA会員側の70%は企画に取り入れたいというが,ユーザー側のそれを望んでいるのは25%だった。
 一方,キャラクターやアクションの制作について,JOGA会員側は消極的だが,ユーザー側は約3分の1が好意的になっている。

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 ただし,これはユーザー側がイメージする「ゲーム開発」が,企画よりグラフィックスに偏っているためかもしれない。ユーザー側の20.1%が「活用されることが良いとは思わない」であることにも留意すべきとのこと。

 AI活用の阻害要因は「レピュテーション(悪い評判が立つ)リスクが高い」「ビジネス上の法的課題」「著作権の問題」などであり,ここはJOGA会員側とユーザー側でほぼ一致している。
 また,ユーザー側は似たようなゲームが増えること,ソフトウェアの質の低下(バグの増加など),情報流失などを懸念しているようだ。
 企業側は技術のキャッチアップや,個々の社員のAI利用状況の把握が難しいことなども挙げていた。

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スマホ新法に対する認知状況や意識


 スマホソフトウェア競争促進法(スマホ新法)の成立により,AppleやGoogleの公式ストア以外からのダウンロードや課金がしやすくなることを,詳しく知っている人はわずかだった。20代は比較的認知しているが,それでも5%台に留まっている。

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 スマホ新法を知らなかった人,名前程度は認知している人の約3分の2は「公式以外のアプリストアは利用しない」と回答し,また関心もないという。
 一方,詳しい内容を知っていると回答した人は,9割以上が公式以外のアプリストアを使っている。ただ,スマホ新法の認知度や理解度にかかわらず,セキュリティと個人情報保護への関心が最も高く,価格的な魅力的を上回るようだ。

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インディーゲームに対する認知度や意識


 今回の調査では,インディーゲームを「個人・小規模チームが開発したゲーム」と定義している。実際に遊んだことがある人は約12%だが,認知自体は47%まで広がった。
 また,「プレイしたことはないが,興味は持っている」が15%なので,実際にプレイしたことがある人より少し多い。今後,この層の動向が注目されるべきポイントだ。

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 インディーゲームに対する印象は「コストパフォーマンスが高い」「個性的・革新的なアイデアが多い」というものが強かった。未プレイだが興味を持っている層も,やはりこの2項目を挙げることが多い。
 一方で,知っているが興味がない層には印象も薄く,「バグや最適化不足が心配」という意見も高めだ。

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 Steam利用者と非利用者のアンケートを比較すると,前者は「コストパフォーマンスが高い」「個性的・革新的なアイデアが多い」の率も高く,また「バグや最適化不足が心配」という印象もそれなりにあるようだ。インディーゲームが「個人・小規模チームが開発したゲーム」であることを意識しつつ,遊ぶ機会が多いことが読み取れる。
 なお,インディーゲームだけに限った話ではないが,Steamでは話題性のあるゲームがソフトウェアの完成度の低さにより,「不評」が集まる例も散見されるという。

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 今回のセミナーで得られた知見は,JOGA会員によるゲーム開発やマーケティング戦略において貴重な示唆となるはずだ。

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