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ミュージカル「Fate/Zero」最新作ゲネプロレポート。“聖杯”を巡る物語はいよいよクライマックスへ
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本作は2部作構成となっており,今年1月には第1部「〜The Sword of Promised Victory〜」が上演されている。また,舞台化にあたり原作者である虚淵 玄氏が脚本監修を務めている点も注目すべきポイントだ。
ミュージカル「Fate/Zero」ゲネプロ公演レポート。「第四次聖杯戦争」のはじまりをステージ上で表現

虚淵 玄氏による小説「Fate/Zero」を原作としたミュージカル「Fate/Zero」〜The Sword of Promised Victory〜が,2025年1月18日に都内のTHEATER MILANO-Zaにて開幕した。本稿では,ゲネプロ公演の様子をレポートしていく。
本稿では,公演に先駆けて行われたゲネプロ公演の様子をレポートする。物語や演出のネタバレとなる記述や写真が含まれるため,今後観劇を予定している人は注意してほしい。
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ミュージカル「Fate/Zero」〜A Hero of Justice〜公式サイト
(C)ミュージカル「Fate/Zero」製作委員会
“聖杯”の本質が明かされていく後編
第四次聖杯戦争の終焉を見逃すな
「Fate」シリーズでは,持ち主のあらゆる願いを叶える“聖杯”をめぐり,7人の魔術師(マスター)がそれぞれ英霊(サーヴァント)を召喚し,最後の1人になるまで戦い抜く「聖杯戦争」の様子が主に描かれている。
「Fate/stay night」の前日譚でもある本作では,衛宮士郎の養父である衛宮切嗣が10年前に参加していた「第四次聖杯戦争」での出来事が徐々に明かされていく。なお,今回はキャスター討伐後からのストーリーが展開されていた。
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切嗣の放った「起源弾」により戦闘不能となったケイネス・エルメロイ・アーチボルトは,婚約者であるソラウにマスターとしての権利や令呪を託していた。
キャスターとの戦いでランサーが活躍したこともあり,追加令呪の譲渡を受けることに成功したケイネスだったが,次第にランサーの行動に疑念や不満を抱くようになっていく。
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そんななか,ランサー陣営の拠点へと近づいていく切嗣。聖杯戦争に勝利するため,彼はある行動に出ることに……。
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さらに,ほかのマスターやサーヴァントにも変化が表れはじめる。霊体化したまま姿を現さないライダー,突如倒れてしまったアイリスフィール・フォン・アインツベルンと,物語は徐々にクライマックスへと突入していく。
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切嗣とセイバーによる歌唱シーンから始まった本作。物語冒頭では,第1部「〜The Sword of Promised Victory〜」のストーリーや,各マスターとサーヴァントの紹介パートがあり,本公演から足を踏み入れたファンへの配慮もうかがえる。
前作同様,映像や文字を投影しながらの解説もあり,ふと懐かしさを覚えた。
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また,前作のゲネプロレポートでも挙げた“アニメのワンシーンを思い出すような演出”は,もちろん健在だ。
アイリスフィールが切嗣に「全て遠き理想郷(アヴァロン)」を返す場面や,ナタリア・カミンスキーが死徒蜂をスプレーで処理するシーンなど,物語各所を彩るパフォーマンスからは筆者も目が離せなかった。
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そして,本公演ならではの見どころといえば,各キャラクターの思いや感情が存分に伝わってくる“歌唱”ではないだろうか。聖杯戦争の脱落者が続出する今作では,“怒り”や“狂気”といった感情をさらけ出す場面が多く存在する。
ケイネスの令呪によって自害を命じられたランサーが消滅していくシーンや,間桐雁夜が思いを寄せていた遠坂 葵に怒りをぶつけ,首を絞める場面は,アニメ本編でも強く印象に残るシーンだが,そこに楽曲が加わることでさらに迫力を増し,観ていて思わずゾクっとさせられた。
歌として心情を紡ぐことで,登場人物たちの感情がより鮮明に伝わってくるのも,ミュージカルならではの醍醐味だろう。
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加えて,急展開が多くなる後編のなかでも,一際目を引くのは言峰綺礼とアーチャーの関係性の変化だろう。
元々は遠坂時臣を勝利させるための役割を担っていた綺礼だが,自分の本質に気づき,徐々に変わっていく様子は舞台でも巧みに表現されていた。
また,2人が“とある”計画を企てる場面ではキーボードの音が鳴り響き,より“あやしさ”を増していたように感じた。
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ミュージカル「Fate/Zero」〜A Hero of Justice〜は,9月21日まで上演される。9月20日と21日(公演最終日)には,DMM TVによる独占ライブ配信も決定しており,見逃せない一作になること間違いなしだ。
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ライダー役を務める岸 祐二さんも,「原作,アニメファンの方にこそ刮目して見届けていただきたい」(該当ポスト)と綴っていた本作。
聖杯を手にするのは一体誰なのか。第四次聖杯戦争の終焉を,ぜひこの目で確かめてみてはいかがだろうか。
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ミュージカル「Fate/Zero」〜A Hero of Justice〜公式サイト
(C)ミュージカル「Fate/Zero」製作委員会
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