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最新作「アーシオン」のつくりが語られた。「インディーゲーム・エヴァンジェリスト吉田修平が,聞く! 〜古代祐三 編〜」をレポート[BitSummit]
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印刷2025/07/22 17:40

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最新作「アーシオン」のつくりが語られた。「インディーゲーム・エヴァンジェリスト吉田修平が,聞く! 〜古代祐三 編〜」をレポート[BitSummit]

 2025年7月18日から20日まで開催されたインディーゲームイベント「BitSummit 13th」のメインステージで,インディーゲーム・エヴァンジェリストとして活動する吉田修平氏によるトークイベントが行われた。かつてソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオを率い,現在はインディーゲームの発展に力を注ぐ同氏が,気になるクリエイターに話を聞くという企画だ。

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吉田氏が掘り下げる,古代氏と和田氏のこれまで


 今回はエインシャント代表の古代祐三氏と,同社所属のクリエイター・和田 誠氏がゲストとして登場。これまでの代表作から,7月31日発売の新作シューティングゲーム「アーシオン」PC / PS5 / Xbox Series X|S / Switch / PS4 / MD)まで,さまざまなゲームに関するトークが繰り広げられた。

古代氏(左)と和田氏(右)
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 古代氏といえば,古くからのゲーマーにはおなじみのゲーム音楽の巨匠だ。「イース」シリーズ,「ベア・ナックル」シリーズ,「湾岸ミッドナイト MAXIMUM TUNE」シリーズ,「世界樹の迷宮」シリーズなどの楽曲を手掛けており,意識せずともその音楽を耳にしたことがある人も多いはず。

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 古代氏は「『ベア・ナックル』の曲はクラブサウンドがまだポピュラーじゃなかった時代に,個人的に好きだったその曲調を取り入れようと作曲した」など,当時の思い出を交えつつ振り返る。吉田氏から当時のゲーム機のサウンド表現について問われると,「チップやプログラムについて知り尽くさなければ,豊かな表現はできませんでした」と,当時の開発環境の特性や,それを乗り越えていった開発者たちの情熱を語った。


 続いて,和田氏が紹介された。彼はゲームにおける,音楽以外の要素をほぼ一人でこなせる多才なクリエイターだ。インディーゲームという呼び方がまだ一般的でなかった頃から,そうした作り方を体現してきた人物ともいえる。その代表作は「まもって騎士(ナイト)」シリーズや「王立穴ポコ学園」などがある。

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 「まもって騎士」シリーズは,ファミコン風のグラフィックスとBGMが特徴だが,そのゲーム性は現在のゲーマーにもおなじみの見下ろし型タワーディフェンスゲームだ。一方,「王立穴ポコ学園」は,ショートシナリオをクリアしていくタイプで,和田氏いわく「ソーサリアンライク」とのことだが,バトル部分はターン制バトルを採用しており,ほかにも奥深いシステムを多数搭載している。

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最新作「アーシオン」は言葉を使わず物語るシューティングゲーム


 そして話題は最新作「アーシオン」へ。本作は,往年のアーケードゲームを思わせるシューティングゲームだ。自動回復ありのシールド制を採用しており,シューティングファン以外でも遊びやすいゲームデザインとなっている。また,ゲーム中にテキストがほとんど表示されないにも関わらず,ストーリー性のある展開が繰り広げられる。

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 「テキストや語りがないのにストーリー性が高い」とは,一体どういうことか? 想像がつかない人もいると思うので補足しておこう。ゲームとは映像メディアでもあるため,戦闘中に遠景で母艦が沈んだり,合流した友軍機が1機,また1機と被弾して数を減らしていくなど,言葉に頼らない演出によってもストーリー性を表現可能だ。もちろん,そこでBGMなどのサウンド周りも大きな役割を果たすわけである。
 実際,1990年代前半には,そうしたコンセプトを突き詰めたタイトーの「ガンフロンティア」Switch / PS4),「メタルブラック」Switch / PS4)といった傑作も登場している。


 話をステージに戻そう。吉田氏がプレイした感触では,「実際に遊んでみると現代的な作りのゲームで,シューティングファンでなくとも楽しめそう」とのこと。時間やアイテムで回復するシールド制は,FPSやTPSといったジャンルの体力回復にも通じるものがある。しかもステージ間のアップグレードが重要で,遊び続けることで自機がどんどん強くなるため,いつかはクリアできる設計となっている。

 「ただ,どのアップグレードを選ぶかもカギになります」と述べる古代氏。氏の言葉には,ただクリアするだけでなく,選択を突き詰めて遊びたいプレイヤーも退屈させないという,開発側の意気込みが感じられた。

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 ここで和田氏による「アーシオン」のデモプレイが披露される。そのゲーム展開やビジュアルは,「グラディウス」「ダライアス」「R-TYPE」「メタルブラック」といった名作の要素をうまくブレンドしつつ,“1980年代の家庭用ゲーム機に工夫して移植したような味わい”が感じられるものだった。また,古代氏によるFM音源技術の粋を尽くしたBGMも圧巻。これは動画などで実際に聴いてもらうのが一番かもしれない。

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 シールド制と聞くとヌルく感じるかもしれないが,シールドがあるゆえに敵の攻撃は容赦なく,緻密なコントロールで敵や敵弾をかわす楽しさが味わえそうだ。なお,サブ武装は3つまで所持でき,状況によって新しいものを取得することで上書きして変更可能とのこと。

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 また,本作は1980年代末に登場した家庭用ゲーム機MDと同等の環境で開発されている。実際のゲームハードの制限の中で作ることで,その雰囲気を再現している。さらに,MDやその互換機でも動作するカセットも発売されるという。

背景をよく見ると,自由の女神像の残骸が。ここはかつてアメリカだったのか……?
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 最後に,「アーシオン」の今後のリリース予定がスライドで表示された。7月31日にSteam版が登場したのち,各ハードでダウンロード版,パッケージ版が登場する予定だ。そして2026年には,MDおよびその互換機向けのパッケージ版を発売するという。

各機種用のパッケージ版以外にも,Bluetoothでさまざま機器に接続できるS社風のゲームパッドや,オリジナルサウンドトラック のビニールレコード盤,カセットテープ盤などが10月に販売予定
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 ステージの後半はほぼ「アーシオン」のピックアップ紹介といった感じだったが,全体の様子は以下のURLから視聴できるので,興味を持った人はぜひチェックしてほしい。

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「BitSummit the 13th」公式サイト


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